芸能界を知り尽くす山田邦子が、昭和・平成・令和のあの人との思い出”を語るコラム。ゆかりのある芸能人との裏話や舞台裏を通じて、芸能界の今昔を浮き彫りにする。
『オレたちひょうきん族』(フジテレビ系)に出ていた頃、西川のりおさんのことが大好きでした。
本人も漫才のツカミで「私が津川雅彦です」と言ってましたが、ハリウッド俳優のようなルックスで、声も渋いじゃないですか。なのに、「ツッタカター、ツッタカター」「ツクツクホーシ、ツクツクホーシ」とか、しつこく連呼するだけで「だから何?」というギャグばかり(笑)。そんな壊れているところが魅力なんです!
周りの芸人は、のりおさんのことを「どケチ」とイジっていましたが、私の印象は違いました。初めて時計を買ってくれた先輩が、のりおさんでしたから。しかも、エルメスですよ! ごちそうになったことだって何度もあります。惚れそうになりましたが、既婚者だったので諦めました(笑)。
『ひょうきんベストテン』のエンディングは、のりおさんが中心にいることが多かったんですけど、収録が全然、終わらないの。
オンエアされるのは約5分なのに、のりおさんが1時間以上ふざけ倒して、終わったら深夜2時なんてことがよくありました。滑って転んで大暴れの末にカメラやマイクを壊すことも多く、のりおさんは200万円以上は弁償しているはず。