■“俳優・目黒蓮”の存在が大ヒットを生んだ鮮烈なフジテレビドラマ

「日曜劇場」は、民放ナンバーワンの人気を誇るドラマ枠。同枠での最多主演記録(7回)を誇る木村拓哉(52)を筆頭に、複数のSTARTO ENTERTAINMENTのタレントが重要な役で出演してきたことで知られる。

 先の7月期には、としてSTARTO社と契約している松本潤(42)が、『19番目のカルテ』で主演を務めた。松本は同枠で『99.9―刑事専門弁護士―』(16年4月期)と、そのシーズン2(18年1月期)でも主演を務めていて、『19番目のカルテ』は3度目の日曜劇場主演作。

「STARTO社のタレントに限った話ではないですが、タレントのドラマ出演を巡っては “大手事務所で人気や話題性があるから”という理由でキャスティングされる、というのはよく聞く話ですよね。

 しかし、『日曜劇場』は違うといいます。木村さんや松本さんは主演を務めましたが、STARTO社タレントで人気者であってもキャスティングされない人も大勢いる。人気があって、俳優としての力もあるトップクラスのタレントでなければ、『日曜劇場』のメインどころには選ばれないですよね」(芸能プロ関係者)

 たとえば、俳優として評価の高い二宮和也(42)は『ブラックペアン』(19年4月期)で同枠の初主演を飾り、同作のシーズン2(24年7月期)、『マイファミリー』(22年4月期)でも主演。さらに堺雅人(51)主演の『VIVANT』(23年7月期)では、事前発表なしのサプライズメインキャストとして活躍した。

 また、20代のSTARTO社タレントでは、King&Prince高橋海人(26)は、阿部寛(61)主演の学園ドラマ『ドラゴン桜』(21年4月期)に生徒側の主役ポジションで出演。永瀬廉(26)は、福山雅治(56)主演の刑事ドラマ『ラストマン-全盲の捜査官-』(23年4月期)に刑事役で出演。

 今年の作品では、阿部主演の報道ドラマ『キャスター』(4月期)に、なにわ男子道枝駿佑(23)が、ジャーナリスト志望の若手AD役で出演。3番手ポジションだった。

「『ラストマン』で永瀬さんが演じたキャラは、最終回であまり活躍できずに終わったことで、ファンから不満の声も出ました。ただ、これは裏を返すと、彼を客寄せパンダのようにせず、脚本家がガチンコで純粋に役者として扱ってくれていたということでもあるため、こういう部分からも『日曜劇場』が事務所ありきのキャスティングでないことが伝わってきますよね。

 ちなみに、永瀬さんは来年1月期に放送が予定されている鈴木亮平さん(42)主演の『日曜劇場』に出演予定だと報じられています。そこでの大活躍に期待したいですね」(前同)

 俳優として目黒が注目されるようになったのは、2022年10月期に放送された川口春奈(30)主演の『silent』(フジテレビ系)からだが、そこから3年を経ての日曜劇場デビュー。その『ザ・ロイヤルファミリー』ではメインどころでの出演と見られ、いよいよ“一流”の評価を得た感じだ。

『silent』は、目黒が若年発症型両側性感音難聴の青年・佐倉想を演じた作品。同ドラマは社会現象級の大ヒットとなり、目黒の大ブレイクきっかけに、Snow Manもグループ人気が急上昇したことで知られるが――、

「当時、『silent』のヒットの要因として、映画のような美しい映像美、悪人がいないからこその切ない三角関係を描いた脚本の素晴らしさなど、多くのことが言われました。それらも間違いなくヒットの要因だったでしょうが、今、あらためてドラマ界では、『silent』のヒットの最大の理由は“俳優・目黒蓮が世に大きく出た作品だから”と、分析されています。

 木村拓哉さんが『あすなろ白書』(フジテレビ系/93年10月期)、松本潤さんが『花より男子』(TBS系/05年10月期)で圧倒的な存在感を示し、一気に俳優としてもスターとなったのと同じですよね。

 今後も目黒さんはグループ活動や、ブランドアンバサダーなどモデル活動など多くの仕事に引っ張りだこでしょうが、やはり業界では俳優としての目黒さんに期待する向きが強く、今後も、映像作品での目黒さんの争奪戦は必至と見られています。今回の『ザ・ロイヤルファミリー』での活躍で、それがますます過熱することになるかもしれませんね」(同)

『silent』以降、俳優としての評価が天井知らずな目黒。コメディを得意とする福田監督による『SAKAMOTO DAYS』、そして圧巻の映像美と壮大なストーリーが期待される日曜劇場『ザ・ロイヤルファミリー』で、さらなる進化を見せてくれそうだ。