■『ザ・ロイヤルファミリー』のドラマとしての評価は――
物語の本筋としては、税理士としての挫折した主人公・栗須英治(妻夫木)が、馬主・山王耕造(佐藤)と出会って人生観が変わっていくという感じなのだろうが、ありがちといえばありがち。ドラマとしてどこが見どころなのかが、今ひとつわからない。
また、目黒の役どころも役名も明らかになっていないのも気になる。番宣特番では、北海道入りが他のキャストより遅れたと言っていたので、前半は出番があまりないかもしれない。そうなると、さほど重要な役ではないのでファンをがっかりさせないよう、シークレットにしているのではと勘ぐってしまう。
物語を競馬に寄せれば競馬ファンは喜ぶが、一般視聴者が入りにくくなる。日曜劇場だけに、ちゃんと視聴者をひきつける作りになっていると思うが、そこを失敗すると、前作『19番目のカルテ』の全話平均視聴率10.2%(ビデオリサーチ調べ/関東地区)に続いて、歴史ある同枠にとって物足りない視聴率に終わってしまうかもしれない。
放送前に公開されたスポット映像には、妻夫木、佐藤、目黒のほか、黒木瞳(65)、小泉孝太郎(47)、松本若菜(41)など、そうそうたる顔ぶれが多数、登場していた。初回のあらすじを見ると、競馬業界の実態が明かされるのと、主人公が元恋人と再会する以外はキャラ紹介になりそうで、いろいろと見えてこない。まずは放送を待ちたい。(ドラマライター・ヤマカワ)
■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。