■デヴィ夫人のバラエティ起用は「リスキー」元キー局Pが解説
4月19日、デヴィ夫人はXに《何が何でも“暴行事件”にしたいのですね。レストラン側は断ったそうです。国家権力の恐ろしさを感じています》と騒動化したことに対して怒りを露わにしていたが、参院選への出馬表明や同騒動、さらに今回の物議を呼ぶ訪朝と、明るく楽しいバラエティ番組には起用しづらくなるように感じられる動きが続いている。
「2020年6月以降、『イッテQ!』から事実上の降板となっていた手越祐也さん(37)は24年10月、今年4月13日と9月14日にも番組に登場。レギュラー復帰への期待も高まっていますが、デヴィ夫人は手越さんとは“逆行”してしまっている感じですね……。
デヴィ夫人が出ていた企画は大人気で、視聴率も高かった。番組スタッフとしては、何もなければ引き続き出演してもらいたかったのではないでしょうか」(前出のワイドショー関係者)
今後、デヴィ夫人は『イッテQ!』をはじめとするバラエティ番組に出演できるのだろうか――元テレビ朝日プロデューサーの鎮目博道氏はこう話す。
「参院選出馬はなくなりましたが、また政治的に敏感な問題ですよね。デヴィ夫人は実のところ“面白いマダム”というだけではなく、インドネシア人にとっては建国の父の妻で、その関係で北朝鮮に呼ばれたとなると外交官や外国の要人という扱いになります。
ですので、ニュース番組に出てもらって“北朝鮮で何があったのか”などのコメントをもらうのはいいのでしょうが、バラエティとなった場合、明らかに通常回には呼べる感じの人ではなくなってしまいました。
今回訪問した北朝鮮という国の特殊性もネックになってきます。たびたび弾道ミサイルを発射して日本各地でJアラートが発出されるなど、北朝鮮にネガティブな感情持つ人は多く、日本にとっては危険な国と言わざるを得ません。
日本は今、韓国と友好関係にあり、韓国とも敵対する国に招かれた人をバラエティ番組に起用するのはリスキーですよね」(鎮目氏、以下同)
バラエティの制作陣は、想像以上に国民感情を気にしているとも鎮目氏は話す。
「旅番組で中国に行くことはかつてはよくありましたが、最近は少なくなっているんです。過去は日中友好など、中国は割りとポジティブなイメージの国でしたからね。ところが、最近は領空侵犯や海洋進出、ロシアや北朝鮮との親密な関係が取り沙汰されることなどが続き、旅番組で中国を扱う機会が減っているんです。
今回、デヴィ夫人がネガティブなイメージの北朝鮮と近いということがあらためて明らかになったわけで……自分がバラエティ番組のプロデューサーなら起用はしないですね。ほとんどのテレビマンがそう考えると思いますし、起用するならニュース番組で、ということになるのではないでしょうか」
政治色がさらに強まった感もあるデヴィ夫人。『イッテQ!』に再び登場する日は来るのだろうか――。
鎮目博道
テレビプロデューサー。92年テレビ朝日入社。社会部記者、スーパーJチャンネル、報道ステーションなどのディレクターを経てプロデューサーに。ABEMAのサービス立ち上げに参画。「AbemaPrime」初代プロデューサー。2019年独立。テレビ・動画制作、メディア評論など多方面で活動。著書に『アクセス、登録が劇的に増える!「動画制作」プロの仕掛け52』(日本実業出版社)『腐ったテレビに誰がした? 「中の人」による検証と考察』(光文社)