菅田将暉(32)主演、三谷幸喜氏(64)脚本によるフジテレビ水10ドラマ『もしもこの世が舞台なら、 楽屋はどこにあるのだろう(『もしがく』)』。同作はヒットメーカー・三谷氏にとって25年ぶりとなる、民放GP帯連ドラ脚本作品。放送前は“2025年秋ドラマの本命”として大注目されたドラマだが、スタートダッシュに失敗した感が指摘されている。10月15日には早くも第3話が放送される『もしがく』だが――。

【以下『もしがく』ネタバレを含みます】

『もしがく』は、1984年(昭和59年)の東京・渋谷「八分坂」(架空の街)を舞台にした青春群像劇。主人公は横暴すぎて劇団から追放された、蜷川幸雄に憧れる演出家の卵・久部三成(菅田)。彼がストリップ劇場「WS劇場」でダンサーをしている倖田リカ(二階堂ふみ/31)と出会い、そこで働くことになるが、劇場は採算が取れておらず、さらに風営法の改正によって閉鎖寸前の状態。久部は起死回生の一手として、「WS劇場」のみんなで芝居をやろうと言い出し――という展開。

 同作では、菅田と二階堂以外にも神木隆之介(32)が若き日の三谷氏がモデルの放送作家・蓬莱省吾を、浜辺美波(25)が渋谷にひっそりとたたずむ八分神社の巫女・江頭樹里を演じる。

 彼ら以外にも戸塚純貴(33)、アンミカ(53)、市原隼人(38)、小林薫(74)、菊地凛子(44)、坂東彌十郎(69)、堺正章(79)、井上順(78)、富田望生(25)、小池栄子(44)などなど、20人以上の豪華キャストを起用。さらに80年代の渋谷を再現するために巨大なオープンセットが建設されるなど、今期トップクラスのスケール感で撮られているドラマでもある。

 そんな大注目の秋ドラマ『もしがく』だったが、第1話(1日)の視聴率は、世帯5.4%(関東地区/ビデオリサーチ調べ)、個人3.1%、そしてテレビ界が重視している若年層の数字であるコア視聴率(13~49歳の個人視聴率)は1.5%と、振るわず。

 見逃し配信サービス・TVerのお気に入り登録者も54.7万人(13日8時現在)とドラマ全体の5位。お気に入り登録者75.0万人で1位の夏帆竹内涼真が主演する『じゃあ、あんたが作ってみろよ』(TBS系)からはどんどん離されていっている感じだ。

 そんな『もしがく』は、第1話(10月1日放送)が痛恨だったようだ。第1話の展開は「登場人物の紹介だけで終わる、まさに”プロローグ“という感じだった」(テレビ誌編集者)こともあり、

《これ1クールのドラマよね?登場人物多!脚本家の腕からしてキャラの描き分けに不安はないが、この設定で何がやりたいのか》
《見る前から期待値高かったせいか1話見てよく分からなかったって感想がしっかりくる。これから面白くなるのかもしれないし、初回で離脱する人の気持ちも分かる》
《神木くんが出てるから録画見てるけど、面白さが分からず途中で離脱、、、》

 といった、厳しい声が多数寄せられることになってしまった。

「三谷さんは大ヒットメーカーとして、これまで多くの舞台や映画を大成功させてきました。しかし、昨年公開された監督作品、長澤まさみ(38)主演の『スオミの話をしよう』がイマイチだったことなど、近年ではパワーダウンも指摘されていますよね……」(前同)

 映画『スオミの話をしよう』の興行収入は17.7億円。配給の東宝は公開当初「興収30億円を狙える大ヒットスタート」だと発表していただけに、“残念な結果”と言えるのだろう。映画を観たファンからも《「つまらない」以上の言葉が欲しいくらいつまらなかった》《過去の三谷作品が好きだったので、かなり残念》などと、厳しい評価は少なくない。