■日テレの「囲い込み戦略」――出演者サイドの“損と得”

 2021年9月に終了した『ウチのガヤがすみません!』(日本テレビ系)でブレイクしたフワちゃん(年齢非公表)やりんごちゃん(37)もかつては日本テレビの番組を中心に出演していた。

「『1億人の大質問!?笑ってコラえて!』、『有吉の壁』、『ヒルナンデス!』に出演している佐藤栞里さん(35)も“日テレタレント”というイメージが強いですよね。

 タレントが所属するプロダクション、担当マネジャーは、日テレの番組でタレントがブレイクしたら他局の番組にも出していきたいと考えるものですが……実際、他局に出ていくと日テレの番組では起用されにくくなっていくんです。理由は、桐谷さんがXで《(いろいろ出ると視聴率が落ちるとのことで)》と明かしたように、数字が取れなくなっていくからですね。多くのテレビ番組に出ているタレントは、“どうしても見たい”対象ではなくなりますからね」(前出の制作会社関係者)

 そんななか、日テレの番組に囲われるタレントの“損と得”とは――、

「損はやはり、他局に出られないことですよね。それで、仕事の幅、人脈が広がらないといった面もあるかもしれません。

 一方で得も多いんです。『夜ふかし』など日テレの番組は、同番組でしか見られない“スター”を作りたいわけです。『夜ふかし』では、桐谷さんやフェフ姉さん、その相方の多田さんがそうした存在でしょうが、まだ無名の人に注目してくれて、視聴者に受け入れられるかどうかわからない人物を積極的に起用してくれて、結果、スターになることもある。『イッテQ!』のイモトさんやみやぞんさんがそうですよね。

 そして、日テレのバラエティは基本的に視聴率が高い。他の局の番組に出演するよりも、大きな影響力があります。つまり名が売れやすいと。他局のバラエティには出られなくても、テレビ以外の仕事はできるし、有名になればCM出演の可能性も出てくるでしょう」(前同)

 前出の制作会社関係者は続ける。

「日テレの番組とすれば、“何者でもない人”をリスクを取って引き上げ、さまざまなコストをかけて“育てて”いくわけで……“他局のバラエティには出ないでください”とお願いするのはある意味、普通のことかと思われます。当たり前ですが、その“お願い”に法的拘束力などはなく、タレント本人、タレントのプロダクションサイドが嫌だったら、他局の番組に出ればいいんです。でも、他局にもどんどん出るんだったら、うちではもう使えなくなります――というのが日テレの番組サイドの考えですよね。

 タレントのレア度が下がり、日テレの番組に出しても数字が取れなくなる……だったら、また新たな人を探そう、となるわけですよね。他局と比べて、こうした“戦略”が広く浸透しているのが日テレ、ということなのではないでしょうか」

『月曜から夜ふかし』や『イッテQ!』など日本テレビのバラエティは高視聴率番組が多いが、こうした“囲い込み戦略”もその要因と言えそうだ。