フジテレビと日本テレビは両局とも、水曜夜10時台に連続ドラマを放送。視聴率合戦を繰り広げている。

 10月からは、フジテレビでは菅田将暉(32)主演の『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう(『もしがく』)』(1日スタート)、日テレでは桜田ひより(22)と佐野勇斗(27)がダブル主演する『ESCAPE それは誘拐のはずだった』(8日スタート)が放送開始。前評判では、『もしがく』の脚本がヒットメーカー・三谷幸喜氏(64)であること、キャストの豪華さなどから圧倒していたのだが、視聴率や見逃し配信・TVerの登録者数は意外な展開を迎えていて――。

 フジの『もしがく』は、1984年(昭和59年)の東京・渋谷「八分坂」(架空の街)を舞台にした青春群像劇。主人公は横暴すぎて劇団から追放された、蜷川幸雄に憧れる演出家の卵・久部三成(菅田)。彼がストリップ劇場「WS劇場」でダンサーをしている倖田リカ(二階堂ふみ/31)と出会い、そこで働くことになるが、劇場は採算が取れておらず、さらに風営法の改正によって閉鎖寸前の状態。久部は起死回生の一手として、「WS劇場」のみんなで芝居をやろうと言い出し――という内容。

 10月15日放送の第3話では、劇場メンバーがシェイクスピアの『夏の夜の夢』の稽古に取り組むまでが描かれた。

 そして日テレの『ESCAPE』は、大企業の社長令嬢・八神結以(通称ハチ/桜田)が、前科モノの青年・林田大介(通称リンダ/佐野)に誘拐されるも、人質のはずの結以が「私と一緒に逃げて!」と言い出し、奇妙な逃避行へと発展。日本中が注目する逃亡劇へとエスカレートしていく、ノンストップヒューマンサスペンス。

 10月15日放送の第2話では、27年前に起きた“八神製薬の闇”という今後に絡むであろうキーワードが浮上。さらに、ハチは親代わりと慕っていた元家政婦にネグレクトされていた4歳の少年・星(阿部来叶/5)を放っておけず、ハチとリンダは星も“誘拐”することに――という怒涛の展開が繰り広げられた。

「『もしがく』と『ESCAPE』、両ドラマが初めてぶつかったのが10月8日でした。その結果が、驚きのものだったんです。というのも、世帯視聴率、個人視聴率、さらにはテレビ界が重視する若年層の数字であるコア視聴率(13~49歳までの個人視聴率)のすべてで、『ESCAPE』の方が勝っていたからです」(制作会社関係者)

 10月8日放送の『ESCAPE』初回の視聴率は、世帯4.7%、個人2.5%、コア1.6%。同日の『もしがく』第2話の視聴率は、世帯4.4%、個人2.3%、コア1.0%だった。

「15日の放送回は両ドラマとも世帯4.0%、個人2.2%。コアは『ESCAPE』が1.6%、『もしがく』が1.0%でしたね。

 両ドラマの初激突で、視聴率では世帯・個人・コアと3つすべてが『ESCAPE』が上回ったわけですが、さらに見逃し配信サービス・TVerでも『ESCAPE』が勝っているんですよね」