■アイドルホースの白毛馬が重賞挑戦

 それでは騎乗馬です。10月25日は、東京競馬場に参戦。金子真人オーナー、須貝尚介厩舎の2歳牝馬、白毛一族のマルガをパートナーに、芝1600メートルで行われるGⅢアルテミスステークスに挑みます。

 7月12日函館のデビュー戦をレコードで勝ったマルガが、夏を越して、どれだけ強くなっているのか、楽しみしかありません。

 翌26日は、ホームグラウンドの京都に帰厩(笑)。弟・幸四郎厩舎のマイユニバースとのタッグで、牡馬三冠、最後の一冠、GⅠ菊花賞に挑戦です。

 重賞初挑戦がGⅠというのは、少し荷が重いかなとも思いますが、芝2200メートル以上に限れば、3戦して2勝2着1回。GⅠの舞台でも、十分に勝負になる力を秘めています。

 幸四郎と挑戦するGⅠは、今回が8回目。空の上から、先日亡くなった“メイショウ”松本オーナーと一緒に、お酒を呑みながら見ているだろう、父・邦彦に勝利を届けたいと思います。

(2025年10月20日寄稿)

武豊(たけ・ゆたか)
1969年3月15日、京都府京都市生まれ。1987年3月1日にJRA騎手デビュー。翌1988年、スーパークリークで菊花賞を制しGⅠ初勝利。以後、オグリキャップ・サイレンススズカ・スペシャルウィーク・ディープインパクト・キズナ・キタサンブラック・ドウデュースなど歴代名馬の手綱を取り、国内外GⅠ通算100勝超を達成した“レジェンドジョッキー”である。2018年9月には史上初のJRA通算4000勝、2024年度JRA賞特別賞と黄綬褒章を受章、2025年8月5日には前人未到の4600勝を達成した。現在もトップクラスで騎乗を続ける“競馬界の第一人者”兼“最多記録更新請負人”。