■吉沢亮に与えられた重要な2つの役割
そんな『ばけばけ』の週平均視聴率は、第1週(9月29日~10月3日)こそ15.5%(関東地区/ビデオリサーチ調べ)だったが、第2週(6日~10日)では14.8%にダウン。銀二郎の婿入り後の辛い生活が描かれた第3週(13日~17日)は14.7%。右肩下がりで数字が落ちている状況にある。
「『ばけばけ』の視聴率低下は、序盤から松野家の没落など暗い展開が続いたこと、物語が松野家と、親戚の雨清水家だけで動いている感もあり、話が前に進んでいく感じがなかったことも原因だと見る向きもありますね。ギャグはあるけど本筋が暗く、こじんまりとしすぎていて、見ていて楽しくないと。
しかし、第4週(20日~24日)では“上京”という話が大きく動く展開があるし、そこに吉沢さんが満を持して登場する。吉沢さんが、物語の空気を変える役割を担うこともあるのではないでしょうか」(前出のテレビ誌編集者)
予告では吉沢演じる錦織は和服姿だが、初回放送前に公式Xに投稿されたメイキング映像では、ハットを被った洋装姿も。史実で八雲の親友がモデルということからも、多くの場面で活躍すると見られる。予告映像では「東京はやり直せる場所だ。君は、やり直したくないか?」と、おそらくトキに向かって背中を押す発言をする場面も。
「さらに制作サイドとしては、吉沢さんが国民的存在の人気俳優であることを活かして、トキ役の高石さん、後の夫・ヘブン役のバストウさんの魅力を視聴者へつなげるという狙いもあるのではと。高石さんはまだ知名度が低めですし、バストウさんに至っては日本の地上波ドラマに出たことがありませんからね」(前同)
高石は昨年、5本の映画に出演するなど映画好きの間では知られた存在だが、『ばけばけ』出演が決定した際にはSNS上で《久々に新人さん》《そんなに知名度無い人来たな》といった声が飛び交うなど、映画ファン以外からの知名度は低い存在でもある。
バストウは、すでに『ばけばけ』本編に登場しているが、現段階では顔見せ程度の出番しかなく本格的な登場やお相手となる高石との共演はまだ先。視聴者からすれば、彼の演技力は未知数だ。
吉沢演じる錦織は、そんな高石とバストウが演じるトキとヘブンの人生に大きな影響を与える役。錦織のモデルである西田は、八雲を英語教師として迎え入れたり、セツと八雲の媒酌人(仲人)も務めたことからも、それに沿った活躍をすると見られる。
「吉沢さんは『国宝』が話題になっているだけでなく、朝ドラ視聴者の間では、広瀬すずさん(27)主演の朝ドラ『なつぞら』(19年前期)で絵を描くことが大好きな好青年・山田天陽を演じたことでも知られています。その意味でも、彼が出演するとなれば『ばけばけ』を“見てみよう”となる人は多そうですよね。
メインとなる高石さんとバストウさんは朝ドラ視聴者にとって馴染みの浅いところがありますが、吉沢さんの存在で、それをカバーする狙いもあるのではないでしょうか。『ばけばけ』の制作陣も、『国宝』がここまで大ヒットするとはさすがに思っていなかっでしょうが、それは嬉しい誤算でしょうね」(同)
暗い空気を一変させ、さらに視聴者に馴染みの浅いメインの2人と視聴者をつなぐ――“国宝級俳優”吉沢の大活躍が期待される。