■「愛してはならない」――意味深描写に考察も沸騰

 その一方で、宮崎が今回演じる四季には謎が多く、彼女が物語のカギとなっていると見る視聴者も多い。

 文太(大泉)は当初、「ノナマーレ」の社長・兆(岡田将生/36)に“社宅にいるスタッフと、夫婦として彼女に合わせて会話をしてほしい”とだけ聞かされていた。そのため四季を“芝居熱心な人”だと思っていたが、文太とのこれまでの思い出をハッキリ語る四季に、嘘をついている様子はない。

 社宅で大家をしている「ノナマーレ」のエスパー・円寂(高畑淳子/71)が、「お芝居じゃないの。話を合わせてあげて。それも仕事」と文太に訳知り顔で告げる意味深な描写もあった。

 また、文太はエスパーのため、四季が文太のことを本心から「愛してる」と感じていることを知るが、文太は「ノナマーレ」の社長・兆(岡田)から「最も大切なルールを破らないように」として「人を愛してはならない」と、告げられている。

 そのような意味深な描写の積み重ねから、

《最終目的と宮崎あおいの正体を徐々にひも解くのがこのドラマの目的かな?》
《世界を救う、というか、四季ちゃんを救うのが真の目的では?》
《四季さんは社長の初恋とかめちゃくちゃ大切な人とかなのかなぁ。四季さんが文ちゃんと過ごしていたパラレルワールドからトリップしてきた説?》
《四季を愛してはいけないのだとすれば、社長の兆がそれを望まないからとしか思えない》
《四季ちゃん記憶障害で兆社長がエスパーたち使って守ってるとか…なんてね》

 などなど、多くの“考察”がXにも寄せられている。

「『ちょっとだけエスパー』の脚本・野木さんは、これまでも緻密な伏線や心理描写を描く作品が評価されてきた方。そして、宮崎さんは、来年にはNHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』にお市役での出演が控えているなど、演技力は同年代の俳優でもトップクラス。そんな彼女が13年ぶりの民放連ドラとして同作への出演を決めたのですから、脚本の完成度の高さは確約されているのではないでしょうか。

 宮崎さん演じる四季にどのような秘密が隠されているのか、第2話以降も多くの考察が飛び交うことになりそうです」(前出の女性誌編集者)

 主演の大泉は、初回放送日に行なわれた囲み取材で作品の質と宮崎の演技を絶賛。「複雑な展開でありながらも穴がない。どんな頭してんの? って感じですよね。日本もこういうドラマを作れるんだという」「あらためて“宮崎あおい”っていう女優のすごみが出ている」と、コメントしていた。

 宮崎にとって13年ぶりの民放の連続ドラマ『ちょっとだけエスパー』。彼女の不変のビジュアルとともに、話題の秋ドラマになりそうだ。