■森本慎太郎は敵か味方か――

 X上では早くも考察が盛り上がっていて、《かなり怪しさ全開だったターボーだけど、わざわざ替え歌のことを話しに来た雰囲気》《1話で犯人候補だった委員長の出番が殆どない。犯人は園子の同期の東雲晴香が有力か?》《高木とイマクニに行った同級生が全員事件に巻き込まれている》など、小山(森本)のほか、東雲(深川麻衣/34)、スナック「イマクニ」の面々が怪しいという声が。

 まだ2話なので考察についてはなんともいえないが、初っ端から退場が続く緊迫感と、だんだん過去がわかってくる演出が見ていて飽きない。キャストも演技技巧者ぞろいで、今回の松井と森本に続き、学級委員長だった小林紗季役の藤間爽子(31)、“ゆっきー”こと土屋ゆき役の剛力彩芽(33)、“ちょんまげ”こと羽立太輔役の森優作(35)などがフィーチャーされる回も楽しみだ。

 劇中でのヒントは少ないものの、番組の公式はいろいろと出している。校庭を走る6人の小学生が1人減って5人になるなど、第1話と第2話でオープニング映像が違っている。また、タイトルロゴに細工が施されていて、「良いこと」の“こ”と「悪いこと」の“い”の字の反転は、真相はなにかがひっくり返るようなオチだということだろうか。

 たとえば、卒業アルバムの顔を塗りつぶされていた6人は、仲良しだと思っていたが、そうではない。園子はいじめられていなかった、など。あるいは、“こ”と“い”から「恋」がキーワードになっていることも考えられ、X上では、《犯人の共通点は替え歌を知っていて園子が虐められていることを知っていた人。動機は園子のことを好きな人》という声も。

 怪しいのはクラスメイトだけではないようで、視聴者の考察にあるように、「週刊アポロ」で園子の同期の記者・東雲、「イマクニ」のマスター・今國一成(戸塚純貴/33)など、疑念は広がっている。さらに、未登場の学校関係者にもなにかありそうだで、主人公の高木(間宮)の家族にもなにか起こりそうなど、考察しがいのあるドラマになりそうだ。

 次回、第3話「絶交」は、『森のくまさん』の替え歌の歌詞から、次に襲われそうな“ターボー”こと小山がフィーチャーされる。小山は高木の一番の親友だったが、アプリ業界の革命児と呼ばれ、現在は黒いウワサが絶えないという。高木と小山の“空白の22年”が明かされることで、物語がどう動くか注目したい。(ドラマライター・ヤマカワ)

■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。