■北川景子演じるタエは「初めてふすまを一人で開けたと」――
北川演じるタエは、地元の名家で生まれ育った、凛とした気品と厳しさを兼ね備えた女性。礼儀作法やお茶など武家の娘としての教養には精通していて、トキ(高石)にそれを伝授することもあった。
しかし、タエは何不自由のない生活をしてきたため、“生活能力”はゼロ。女中全員に暇を出していた矢先に傅(堤)が倒れた10月14日放送回では、それがよく分かる描写もあった。
同回では、女中もいないのに大丈夫かとトキが様子を見に行ったところ、台所から異臭が。覗いてみると、タエがかまどでおかゆを作っていたのだが、鍋からはもうもうと煙が立ち込めていた。「このままでは火事に!」と、トキが大慌てで水を継ぎ足す――という場面があった。
しかも、トキがおかゆの件を雨清水家の三男・三之丞(板垣李光人/23)に伝えたところ、「信じられないかもしれないけど……女中がいなくなり今朝、初めてふすまを一人で開けたと言っていた」と、まさに信じられないような発言もしていたのだ。
「さらに視聴者を不安にさせているのが、史実でのエピソードです。タエのモデルは、主人公のモデルである小泉セツさんの実の母・小泉チエさん。晩年には安定した暮らしが送れていたとも言われていますが、一時期には『ばけばけ』と同様の流れで家が没落した結果、物乞いをするような日々にまでなってしまったとされる人物です」(前出の女性誌編集者)
チエは武家の娘としての気位の高さもあったのか、家財を売り払ってからも働くことはなく、最終的には物乞いをするようになっていたという。
『ばけばけ』での生活能力ゼロな描写と、史実でのそういったエピソードから、
《おタエ様は生活できてるのかしら…》
《タエ様も松江を離れてどうするのか。三之丞とやり直せるのか(史実は、悲惨だったので、ドラマで夢を見る)》
《史実は、松江や近隣しか頼れる親戚とかはなく、家臣の家を間借りするところまで没落したそう流石にドラマでそこまではね》
といった、今後を不安視する声が多く寄せられている。
ちなみに、『八雲の妻 小泉セツの生涯』(潮出版社)によると、チエは《「御家中一番の器量」と褒めそやされた美人》だったとのこと。その意味でも美人女優である北川はハマリ役と言えるかもしれない。
「史実では、最終的にはセツが高給取りであるハーンと結婚したことで、チエに仕送りができるようになり、チエは安定した余生を過ごせたといいます。ですが、過程で辛い思いをしたのは間違いないわけで、どこまで史実に沿ったエピソードが描かれるのか……。“北川景子がホームレスに”――そうなればなかなかのインパクトでしょうが……目が離せませんね」(前同)
タエ役の北川はこのところ、主演ドラマ『あなたを奪ったその日から』(フジテレビ系/4月期)では“3歳の娘を食品事故で失う母親”、主演映画『ナイトフラワー』(11月28日公開予定)では“貧困でも子育てするためにドラッグの売人になってしまう2児の母”と、壮絶な母親役が続いている。『ばけばけ』でもそうなってしまうのだろうか――。