■吉沢亮は『ばけばけ』に不可欠な存在
第18回(21日放送)でトキ(高石)と錦織(吉沢)が出会うシーンの反響が大きく、X上では、《コミカル過ぎてワハハワハハで見ちゃうけど、今の日本で見られる最高の演技合戦のひとつだこれ。発声、視線、間、タメ、所作動作、行間の揺らぎ…圧倒的な情報。トリハダ立った。凄い》などと、高石、吉沢に対する称賛の声が。
とにかく吉沢と高石との絡みが抜群で、同部屋の帝大生・根岸(北野秀気/30)と若宮(田中亨/26)が完全にかすむほど。松野家のセリフが飛び交うわちゃわちゃぶりもいいが、この2人のセリフはなくともリズムがピッタリ合っている感じが、見ているだけで楽しくなる。
今週は銀二郎(寛一郎)との仲睦まじい姿も含め、ホッとできる展開が続いたが、結局、トキ(高石)は別れを選び、松江に戻って借金ぐらしはまだ続く。言葉にするとかなりな鬱展開だが、暗くはならないのは高石の絶妙な演技によるところが大きい。そこに吉沢が加わるとなると、作品の魅力は倍増するはずだ。
まだヘブン(バストウ)が登場していないものの、錦織が加わったことで、ドラマを動かすピースがそろった感じがする。第4週に入ってから平均世帯視聴率(ビデオリサーチ調べ/関東地区)は15%台をキープ。トキが松江に戻っても、吉沢効果で、幸福と絶望が入り混じった独特な世界を堪能できそうだ。(ドラマライター・ヤマカワ)
■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。