■ただのSFロマンスではない様子
正直、設定的には既視感のあるSF作品だった。しかし、状況とキャラの説明の塩梅とタイミングが絶妙で、さすがはヒットメーカー・野木亜紀子といったところ。『最愛』や『トリリオンゲーム』(ともにTBS系)を手掛けた村尾嘉昭氏のテンポのいい演出もあり、あっという間に時間が過ぎていった。視聴率が良いのもうなずける。
また、キャストも盤石。おとぼけが絶妙なちょっとだけエスパーな4人は、早くもチームものとしての楽しさを感じさせる。それに加えて、どこか人間離れした存在感を醸しつつ、圧倒的なかわいさを見せる宮崎あおい。彼らに、いつまでもわちゃわちゃやっていてほしいと思わせる初回だった。
今後についてはヒントが少なすぎて読めないが、社長・兆(岡田)が文太(大泉)に与えたルールが《人を愛してはならない》なので、記憶喪失が疑われる四季(宮崎)の過去に何かあったのかも。また、大泉洋が公式サイトで《物語の縦軸はわりと複雑》ともコメントしているので、ただのSFラブロマンスでは終わりそうにない。
初回を見ただけでは正直、「なんだかわからないけど面白そう」という印象だ。しかし、脚本、キャストともに、期待していい座組なので、今後に注目したい 。次週、なぜか四季まで巻き込んで、文太たちちょっとだけエスパーの4人は、世界を救うべく箱根大涌谷へ向かう。(ドラマライター・ヤマカワ)
■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。
