「各局で2025年秋ドラマが放送されていますが、今期のフジテレドラマビはどれも絶不調ですね……」

 そう指摘をするのは民放キー局関係者。

 フジテレビ系の主要ドラマ枠は『月9』、『月10』(カンテレ制作)、『火9』、『水10』、『木曜劇場』(夜10時~)の5枠。今期は月9から順に、沢口靖子(60)主演の『絶対零度~情報犯罪緊急捜査~』、草なぎ剛(51)主演の『終幕のロンド ―もう二度と、会えないあなたに―』、佐藤隆太(45)主演の『新東京水上警察』、三谷幸喜氏(64)が脚本を務め、菅田将暉(32)が主演する『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』、北村有起哉(51)主演の『小さい頃は、神様がいて』の5作が放送中だ。

 月9ドラマ『絶対零度』は2010年4月期からフジテレビで断続的に放送されている刑事ドラマ。シーズンごとにメインとなる部署や主人公含む登場人物が大きく入れ替わるのが特徴で、今回のシーズン5は沢口が主演。新主人公・二宮奈美(沢口)が、「情報犯罪特命対策室」の仲間たちと、高度な情報技術を悪用した“情報犯罪”に立ち向かう。

 月10ドラマ『終幕のロンド』は、妻を亡くし、シングルファーザーとして生きる遺品整理人・鳥飼樹(草なぎ)が、遺品に刻まれた“最期の声”に耳を傾け、残された者へのメッセージを解き明かすヒューマンドラマ。

 火10ドラマ『新東京水上警察』は、吉川英梨氏による同名小説シリーズが原作。佐藤演じる碇拓真刑事と水上警察署のチームが、東京の海や川を警備艇で駆け巡り事件を追う、大迫力のマリン×クライムエンターテインメント作品。

 水10ドラマ『もしがく』は、1984年(昭和59年)の東京・渋谷「八分坂」(架空の街)を舞台にした物語。蜷川幸雄に憧れる演出家の卵・久部三成(菅田)が閉鎖寸前のストリップ劇場「WS劇場」のメンバーを巻き込み、シェイクスピアの舞台をやろうとするも――という青春群像劇。

 二階堂ふみ(31)、神木隆之介(32)、浜辺美波(25)、市原隼人(38)などなど、20人以上の豪華キャストを起用。撮影のためだけに千葉県に80年代の渋谷のオープンセットを組むなど、フジテレビが大勝負に出ている作品だ。

 最後に木曜劇場『小さい頃は、神様がいて』は、三階建てのレトロマンションに住む、三家族の住人たちの物語を描いたホームコメディ。主人公は三階に住むマイペースな夫・小倉渉(北村)と、その妻・あん(仲間由紀恵/45)。夫婦は19年前、あることがきっかけで「子どもが二十歳になったら離婚する」という約束を交わしていたが、その話が再浮上して――という離婚危機を主軸に、物語が展開していく。

 今期、フジテレビでは上記5作品がすでに4話ほど放送されているが――、

「今期のフジドラマは、視聴率が大変厳しい状況にある感じです。そして、さらに痛恨とも言えそうなのが、見逃し配信・TVerのお気に入り登録者数。秋ドラマのお気に入り登録者数トップ10に、フジのドラマが1作もないんです。つまり、リアルタイムだけではなく、配信でも見られていないと……。

 テレビ局にとっては、CMに直結するので今でもリアルタイムの数字である視聴者が非常に重要ですが、現在はなかなかドラマをリアルタイムで見てもらえないため、配信の数字も重要。しかし、今期のフジのドラマはそれも厳しい。

 ちなみに、秋ドラマでのTVerお気に入り登録者1位は、竹内涼真さん(32)と夏帆さん(34)がダブル主演を務めるTBS系火曜ドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』(『じゃあつく』、夜10時~)の140.6万人(2日10時時点、以下同)。10位は、松重豊さん(62)主演の『孤独のグルメ season2』(テレビ東京系/12年10月期)の68.1万人。再放送中の作品も“今期ドラマ”としてカウントされている関係からのランクインですが、逆に言えばフジドラマは再放送ドラマにも負けているということですよね……」(前同)