■今後、ますます制作費が削減されていくなか……厳しすぎる状況

 10月第4週(20日~24日)に放送されたフジテレビの主要ドラマの世帯視聴率、テレビ界で重視されている個人視聴率とコア視聴率(13~49歳の個人視聴率)、そしてTVerお気に入り登録者数は、以下の通り。

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【10月20日】

『絶対零度』…世帯5.5%(関東地区/ビデオリサーチ調べ)/個人3.1%/コア1.1%/65.4万人

『終幕のロンド』…世帯5.3%/個人2.8%/コア1.1%/54.6万人

【21日】

『新東京水上警察』…世帯3.5%/個人1.9%/コア0.9%/51.9万人

【22日】

『もしがく』…世帯3.7%/個人2.2%/コア1.0%/57.2万人

【23日】

『小さい頃は、神様がいて』…世帯3.3%/個人1.7%/コア1.0%/50.6万人

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「どの作品も視聴率は極めて厳しいですし、だからといって配信で見られているかといえばそんなこともないと。

 近年は“テレビ離れ”が進んでいることもありどの局も視聴率は苦戦してますが、それを差し引いても、今期のフジのドラマは“全滅状態”とも言えそうです。実際、テレビ朝日やTBSの秋ドラマには、視聴率やTVer登録者数も好調な作品がありますからね」(前出の民放キー局関係者)

 テレビ朝日では、人気脚本家・野木亜紀子氏(51)による大泉洋(52)主演作『ちょっとだけエスパー』(火曜夜9時~)の第2話(28日放送)が、世帯6.3%、個人3.7%と、どのフジドラマよりも高い。

 TBSでは、『じゃあ、あんたが作ってみろよ』がTVerのお気に入り登録者数1位であり、コア視聴率も2%台中盤を取るなど、多くの若年層の視聴者から支持を得ている感じだ。

 今秋のフジテレビドラマを巡って、ドラマ好きの視聴者からは、

《「小さいころ」と「終幕のロンド」はいいドラマなんだけどな。もしがくはつまらないけど》
《絶対零度は今後も見るけど終幕はもういいや。月曜から遺品整理で故人をしのぶってのをこれでもかと見せられても気持ちが落ちるだけ》

 といった、作品ごとのファンもいるものの、

《今期の秋ドラマは珍しく結構見てる。ドラマはやっぱTBS強め。フジは正直推しが出てなかったら、そもそもチャンネルすら合わせないかなー(笑)》
《フジは予算や出演者が豪華な割に…って感じ》

 といった、“フジテレビドラマ全体”に対する厳しい声も多い。《月9、月10ドラマがトレンド入りしないなんて。(トップ)30にもない。変なの。皆、後でゆっくりTVerで見る派多いからな。仕方ないかな。フジ問題のせいかしら》と、引退した中居正広氏(52)の女性トラブル報道が引き金で勃発した“中居氏・フジテレビ問題”を連想する声もあった。

「フジテレビでは、近年多くの番組で予算がカットになり、毎年どんどん制作費が削られていっていますが、“中居氏・フジテレビ問題”の影響を受けてそれがさらに加速するそうです。今後、フジのドラマは、同じく制作費削減が進む民放他局と比べても4分の3から3分の2ほどになるといいますね。そんな大変な事態が迫る前から、放送中のドラマの視聴率、そして配信ともにすべて悪いと……。大変厳しい状況ですよね。

 今後は、予算削減によって全ドラマがスケールダウンしないように、勝負作とそれ以外の作品で予算に差をつけて“メリハリ”を意識して制作されていくとも言われていますが、今秋のドラマでの“勝負作”だったであろう『もしがく』が大コケしていることを考えても、予算決めは大変になのではないでしょうか……」(前同)

 現状では“全滅状態”と言われても仕方のないフジテレビの25年秋ドラマ。すでに折り返し地点を迎えているが、ここから挽回できるのだろうか……。