■第1位は、今年の秋ドラマの明暗

1位 「ウザくて最高」化石男・竹内涼真『じゃあつく』大旋風の一方、2つの「大誤算」作も…「25年秋ドラマ」の強烈明暗

 大泉洋(52)主演のテレビ朝日系火曜ドラマ『ちょっとだけエスパー』(夜9時~)の初回が10月21日に放送されたことで、テレビ各局の主要な“25年秋ドラマ”が出揃った。すでに3話ほど放送されている作品が多いが、早くも明暗が分かれ始めている――。

「『ちょっとだけエスパー』は、初回からXでトレンド1位を飾るなど好発進。SNSが盛り上がりやすい”考察ドラマ”ですから、今後伸びていきそうな気配ですね。

 一方で、すでに話が進んでいる秋ドラマでは、竹内涼真さん(32)と夏帆さん(34)がダブル主演を務めるTBS系火曜ドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』(『じゃあつく』、夜10時~)が大人気。事前の話題性はそれほどでしたが、思わぬダークホースとして注目を集めています。

 TBSドラマと言えば『ザ・ロイヤルファミリー』が放送中の『日曜劇場』枠のイメージが強いですが、今期の注目度では『じゃあつく』が上回っている感じですね」(制作会社関係者)

『じゃあつく』は、谷口菜津子氏による発行部数のべ40万部の同名大ヒット漫画(ぶんか社)が原作。本心を隠して料理上手で恋人ファーストな彼女を演じていた山岸鮎美(夏帆)と、「料理は女が作って当たり前!」と思っている、昭和的な価値観の化石男・海老原勝男(竹内)の別れから始まる、後悔と挑戦のロマンスコメディ。主演の2人以外にも、破局後の鮎美と勝男にそれぞれ急接近する青木柚(24)と中条あやみ(28)も人気を集めている。

 そんな『じゃあつく』の視聴率は、第2話(10月14日)が世帯視聴率7.0%(関東地区/ビデオリサーチ調べ)、個人視聴率3.9%、テレビ界が重要視しているコア視聴率(13~49歳の個人視聴率)2.5%。

 そして見逃し配信サービス・TVerのお気に入り登録者数は21日時点で108.6万人。これは25年秋ドラマ1位の数字であり、現段階で登録者数100万を超えているのも同作だけだ。2位はテレビ朝日の人気刑事ドラマ『相棒 season24』の96.1万、3位はTBS日曜劇場『ザ・ロイヤルファミリー』の74.8万人である。

「『じゃあつく』は、初回から竹内さんの演技がとにかく振り切れていて……勝男(竹内)の前時代的で、あまりにもウザすぎる自称“アドバイス”の数々などが話題となりました。

 その一方で、勝男が反省して考えを改めるまでの流れも丁寧で、《応援したくなる》といった声も多いんですよね。鮎美(夏帆)の“結婚後も一生、相手の価値観に合わせないといけないと考えたら、急に無理になってしまった”など、視聴者から共感されやすいシーンが多いことも、人気の理由かもしれません。

 また、マッチングアプリを“養殖漁業”、普通の恋愛を“天然漁業”にたとえる場面など、妄想シーンの演出もとても面白い。演出面がキレキレで、それも人気につながっているところがあるのでしょうね」(前同)

『じゃあつく』には、

《いい感じで竹内涼真がウザくて最高←褒め言葉》
《イラっと度が続くのだけれどなんだかんだでチャレンジする勝男は応援したくなる》
《竹内涼真のこれまでの好感度をドブに捨てて挑戦してる感じがするので 頑張ってほしい》
《好きな人の為に頑張っても、これが一生続くと思うと無理だよねー。別れた後に弾けちゃうのも共感しかない》
《共感の嵐。 言うのは簡単。やるのは地獄。 試しに(現実で)カルボナーラ作ってみたらパスタがバラバラ事件。 料理も家事も、妻に感謝やで》

 などなど、竹内の演技を絶賛する声、男女ともに共感できる部分がある、という意見が多く寄せられている。

『じゃあつく』が人気沸騰となっている裏側で、数字面で大苦戦している秋ドラマもあるという。

沢口靖子さん(60)主演のフジテレビ系月9ドラマ『絶対零度~情報犯罪緊急捜査~』は人気シリーズの続編であり、沢口さんにとって35年ぶりとなるフジテレビでの連ドラ主演作としても注目されていたのですが……厳しい状況にあります」(前出の制作会社関係者)

『絶対零度』シリーズは、2010年4月期からフジテレビで断続的に放送されている刑事ドラマ。シーズンごとにメインとなる部署や主人公含む登場人物が大きく入れ替わるのが特徴で、今回のシーズン5は沢口が主演。新主人公・二宮奈美(沢口)が、「情報犯罪特命対策室」の仲間たちと、高度な情報技術を悪用した“情報犯罪”に立ち向かう。

 同作の主演である沢口は25年以上続く『科捜研の女』シリーズ(テレビ朝日系)の主人公・榊マリコのイメージが強いだけに、“久しぶりに他局で違う役をやる”という点で期待する声も多かった。

「同作には発表当初から、沢口さんが還暦を迎えたタイミングでテレ朝からフジに“移籍”して新しい役にチャレンジ――そんな印象を抱く人が多く、実際に多くのメディアでそうした報道もありましたよね。

 ですが、沢口さんの周囲の関係者は、そういった年齢面などが強調されてしまうのは好ましくないと感じているみたいです。“移籍”という部分に関しても、沢口さんはフジの『絶対零度』だけに集中しているわけではないようで、『科捜研の女』の新作SPの撮影を同時進行で行なっているようですね」(前同)