■『もしがく』は裏番組の日テレドラマにも敗北…

 10月16日発売の『女性セブン』(小学館)では、来年の年始に『科捜研の女』の2時間のスペシャルドラマが控えていること、そのため沢口は『絶対零度』と2作同時撮影というハードスケジュールに臨んでいることが報じられている。

「そんな状況で撮られている『絶対零度』ですが、『科捜研』と同じ警察ものドラマということもあり、視聴者の間ではどうしても『科捜研』の“榊マリコ”のイメージが消えない、という声が多いようです。せっかく『科捜研』以外の作品に出るなら、ジャンルも違うものが良かったという指摘も……」(同)

 視聴者からは、

《沢口靖子をマリコから遠ざけようとして叫ばせたり走らせたりしてるけどさ絶対零度じゃない感強くなってる気が》
《絶対零度の沢口靖子さん、科捜研のまりこすぎて話が入ってきません笑》

 といった、どうしても『科捜研』を思い出してしまうという声が多い。

 そんな『絶対零度』第2話(10月13日)の視聴率は世帯5.5%、個人3.0%、コア1.4%となかなか厳しいようだ。TVerのお気に入り登録者数も秋ドラマ10位の63.9万人となっている。

「現在フジテレビでは、リアルタイムでドラマを楽しんでくれている、少し上の世代に向けたドラマ作りをする方向にシフトチェンジしつつあると聞こえてきています。そのため、そういった層のファンが多い沢口さんに主演を依頼したところはありそう。

 実際、今年4月期に同枠で放送された小泉今日子さん(59)と中井貴一さん(64)のダブル主演作『続・続・最後から二番目の恋』はその狙いが当たった感もあったのですが…‥『絶対零度』は現状、そうはなっていないようですね」(同)

 大人の青春ドラマ『続・続・最後から二番目の恋』は、コア視聴率こそ高くはなかったが、世帯視聴率や個人視聴率、見逃し配信・TVerの数字では“成功”。全話平均世帯視聴率は、民放の春ドラマ3位の7.7%だった。最低世帯視聴率も7.0%(第7話と第9話)で、『絶対零度』よりも遥かに高い。

 そして、フジテレビドラマでは、三谷幸喜氏(64)が脚本を務め、菅田将暉(32)が主演する水10ドラマ『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』も、数字が振るわない状況にあるという。

『もしがく』は、1984年(昭和59年)の東京・渋谷「八分坂」(架空の街)を舞台にした物語。蜷川幸雄に憧れる演出家の卵・久部三成(菅田)が閉鎖寸前のストリップ劇場「WS劇場」のメンバーを巻き込み、シェイクスピアの舞台をやろうとするも――という青春群像劇。

 同作には、菅田のほかに二階堂ふみ(31)、神木隆之介(32)、浜辺美波(25)、戸塚純貴(33)、アンミカ(53)、市原隼人(38)、小林薫(74)、菊地凛子(44)、坂東彌十郎(69)、堺正章(79)、井上順(78)、富田望生(25)、小池栄子(44)などなど、20人以上の豪華キャストを起用。撮影のためだけに80年代の渋谷のオープンセットを組むなど、フジテレビが大勝負に出ている作品として、放送前から注目されていたのだが……。

「初回が終始登場人物の説明だけで終わった感があり、視聴者からも厳しい声が多く出ることに。その影響か2話以降の数字が伸びず、第3話(10月15日)の視聴率は世帯4.0%、個人2.2%、コア1.0%。TVerのお気に入り登録者数も57.5万人と伸び悩んでいます」(前出の制作会社関係者)

『もしがく』が放送されている水曜夜10時、日本テレビでは桜田ひより(22)と佐野勇斗(27)がダブル主演する『ESCAPE それは誘拐のはずだった』が放送されているが、『ESCAPE』のTVerお気に入り登録者数は70.2万人。

 また、『ESCAPE』初回(10月8日)の視聴率は、世帯4.7%、個人2.5%、コア1.6%。同日の『もしがく』第2話の視聴率は、世帯4.4%、個人2.3%、コア1.0%と、『もしがく』は同時間帯の『ESCAPE』にすべての数字で負けている状況にある。

 そんな『もしがく』には《第2話から一気に見やすくなった》など好意的な声もあるものの、

《脚本も俳優さんも演技もセットも色々こだわってるしすごいんだけど、映像がなんか中途半端に古くて台無し...80年代なのに平成っぽい》
《ここから面白くなるんだろうか?すんごいキャスト揃えてまさかこのままドタバタして終わりまで向かうの?》

 といった不評の声、心配するような意見も少なくない。

 明暗くっきり分かれた感じもある25年秋ドラマ。“面白い”と絶賛が相次ぐ『じゃあつく』はこの勢いを維持できるのか。『絶対零度』と『もしがく』は、ここから巻き返せるのか――。

(2025年10月22日公開)