■薄すぎる松本潤・元康の存在感
「本作は、従来の大河より登場人物たちを丁寧に描く、人間ドラマ路線です。ただ、そのおかげで主役である家康の存在感が薄くなっている。さらに、回想シーンを丁寧に描くぶん、本筋の展開が遅く、描かれるシーンも少ない。各人物のエピソードは良いんですが、ドラマ全体は盛り上がらなくなっています」(ドラマライター/ヤマカワ)
今回も、氏真役の溝畑が好演していたのだが、そのせいで本筋が薄くなる、というジレンマに陥っていた。「家康が自らの弱さに歯がゆさを感じつつも、個性派揃いの家臣たちと絆を深め、一体感あふれる“チーム徳川”を作り上げていく」というテーマ、コミカルさが持ち味の古沢良太氏の脚本である以上、仕方がないのだが、残念ながらそれがドラマ全体の魅力につながっていないのだ。
次回「家康、都へゆく」は、室町幕府15代将軍・足利義昭役で古田新太(57)が登場。予告動画での松本や古田の演技を見る限り、再び評判の悪いコミカルなシーンが増えそうだ。残念ながら、しばらく浮上は難しいかもしれない。