■トピック乱立の『終幕のロンド』
さらにラストでは、真琴(中村)との間で子作りを拒否している夫・利人(要潤/44)が、真琴の担当編集者・森山静音(国仲涼子/46)と不倫しているという、衝撃的な事実が描かれた。まさにトピックの乱立、明らかに風呂敷の広げ過ぎだろう。
そのため、X上では、《マジでこのドラマなんなんw思ってたのと違う方向に、というか、同時多発的にいろんなこと起こり過ぎ》《次から次へと違うタイプの害悪キャラが登場するの本当に何?》《ところで、今週のゲストエピソードだった孤独死の部屋清掃の話はどうなったのでしょうか……》などと、困惑の声が多い。
しかも、上記のほとんどの問題を鳥飼(草なぎ)が解決に動きそうな雰囲気で、《中村ゆりとその母親、中村ゆりの義実家、ゆずちゃんとその母親、ガキンチョどもの小競り合い、これ全部鳥飼さんに解決させようとしてるならまあまあの重労働である》と指摘する声もある。
確かに本作は、鳥飼がすべてのエピソードに関係のある構図になっていて、草なぎが八面六臂の活躍ぶりを見せそうだが、ちょっと頼り過ぎではないだろうか。草なぎのファンはうれしいだろうが、さすがに物語的に無理がある。そもそも、これらの問題のすべてを全11話でまとめきられるのか。
公式サイトのイントロダクションでは、遺品整理人の働きをメインにしたうえで、“鳥飼と真琴の間に切なくも温かな大人の恋が芽生える”こともうたわれている。早く周辺のトラブルを解決して、鳥飼(草なぎ)と真琴(中村)の関係にフォーカスすれば、それを落ち着いて楽しめそうだが、残念ながらまだ先になりそうだ。(ドラマライター・ヤマカワ)
■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。