阪神タイガースのレジェンド、“ナニワの春団治”こと川藤幸三が猛虎愛を語り尽くす熱血コラム。OB目線の激励から時には喝も……熱き魂が炸裂する!

 言うまでもなく、野球は集団競技や。どんなに突出した能力の選手がいても、その力だけでは試合には勝てん。まして、長いペナントレースを制することができるわけやない。

 大谷翔平のような天才的なスーパースターがおっても、エンゼルスは優勝できんかったからな。

 ドジャースは大谷以外に、ベッツ、フリーマン、テオスカー・ヘルナンデスと、長打を打てるスラッガーがそろっているから強い。

 バッティングオーダーというのは、クリーンアップがしっかり固定され、その前後に、それぞれの役割を担う選手を配して初めて機能する。今年のタイガースが、まさにそうやった。

 ただ、一方で、強いチームには1本のホームラン、1本のヒットで試合の流れをガラッと変える選手がおるのも事実やし、そんな選手の指定席が4番や。

 メジャーは1番、2番にチームの最強打者を置く傾向にある。4番はあくまで4番目のバッターと考えるらしい。しかし、ワシの考えはちゃう。4番を柱に、前後をどう組み合わせるかがバッティングオーダーを決める際の基本やと思う。

 2000年やったかな。オリックスがイチローを4番に置いて戦ったことがあった。イチローは3割8分7厘という高打率をマークしたけど、チームは4位。そういうもんやで。やっぱりイチローは4番バッターやない。1番が適任や。