■『27時間テレビ』の裏側にあった駆け引き

 粗品は『27時間テレビ』の打ち合わせで現場から「松本人志、今、何している?」という大喜利ネタをやるのは難しいと言われたが、同時に「僕ら聞かなかったことにするんで」「粗品さんが生放送で勝手に言ったということなら、もしかしたらできるかもしれません」とも言われたと説明。そして 本番当日には、「現場で一番偉い人」がスーツ姿で立っていて、粗品に「もし何かございましたら、私が出て行って謝りますので」と言ってくれたことを明かし、粗品は「フジテレビの現場の方は熱いから、あまり責めないであげてほしい」とした。

 その一方で、今回の『酒のツマミ』でのフジ上層部の対応も、「あんな前例(フジテレビ問題)があったフジテレビがこんだけビビるのはそらそうやて」と、コンプラ違反を警戒することは企業として間違ってはいないとフォロー。大悟が『酒のツマミ』を降板した理由も、“松本さんの復帰場所として頑張ってきたが、コスプレしただけで放送できなくなる人が、戻れるわけがない”というやるせなさを感じたのも大きいのではと推察し、「1人賛否」は別の話題へと移った。

 粗品が語った制作現場のリアルな裏側、フジテレビの現状に視聴者は沸騰。

《そこまで内幕明かして大丈夫?とこちらが不安になるくらい深いところまで語ることで兎角批判に晒されがちなフジのスタッフさんを守り、上層部の判断に対しても冷静に評価しているところ、粗品さんの真骨頂て感じで聴き入ってしまった…すごい》
《酒のつまみからの真面目な話、フジテレビでの裏話。久しぶりにいい話聞けた》
《27時間テレビのくだり、そんなにお話して大丈夫なのかととってもハラハラした笑》

 といった声が多く寄せられている。

「粗品さんは『新しいカギ』のレギュラー出演者としてフジテレビと関係の深い芸人ですよね。昨夏の『27時間テレビ』でも、粗品さんが“エース”的な感じで中心となりさまざまな企画を牽引しましたが……同番組内でのコラボ企画『ドッキリGP×新しいカギ』でのバンジー企画を巡ってのトラブルがあった。それは『週刊文春』でも報じられましたが、自身のトラブルの経験を含めて、フジのバラエティの内実にはかなり詳しいでしょうね」(制作会社関係者)

『ドッキリGP×新しいカギ』では、“早口言葉で負けた方が逆バンジーを飛ぶ”という対決が行なわれた。しかし、粗品は以前から「バンジーNG」を伝えていたのに飛ばされそうになり、それを防ぐために先輩芸人の東野幸治(58)がわざと早口言葉で負けて飛ぶ展開に。

 粗品は企画の休憩中に涙を浮かべつつ「もう帰るわ」と言い放つほど激怒。現場ではバラエティ制作の幹部が粗品に謝罪してなんとか企画は成立したというが、フジテレビの本部スタッフと番組側でコミュニケーションが取れていなかったことについて、後日、全面的に非を認めて番組スタッフが吉本サイドに謝罪したとも報じられている。

「粗品さんは、結果的に大先輩の東野さんに迷惑をかけてしまったことも含めて番組サイドに憤怒したといいますね。そういった、フジ局内の“すれ違い”によって生じたトラブルも体験しているだけに、粗品さんが今回YouTubeで語ったフジテレビの現場事情は、ことさらに説得力、リアリティがあるのではないでしょうか」(前同)

 そんななか、前述のように1年前に逆バンジーを飛んだ東野も、10月31日深夜放送の『東野幸治のホンモノラジオ』(ABCテレビ)で「今フジテレビと吉本揉めてるから」と言及した。粗品は、自身らが大晦日に出演する『新しいカギ』の特番のことを心配していたが、また違う懸念も生じてしまっているのかもしれない――。