■酷暑もいつかは秋になる

 ステージ上での目線の配り方から、ふだんクラブのテーブルをどれだけ見ているのかを想像しちゃったよ。

 やまちゃんは37歳で北関東の強豪校出身の元甲子園球児。体育会系の厳しい上下関係をサバイブしてきた最後の世代かもしれない。でも、今は「パワハラは悪」。そればっかりを見てしまうよね。

 杓子定規に職場をクリーンにしちゃうと、やまちゃんみたいなトラブルを収められる人が出にくい状況になる。臨機応変な対処は、AIにはできないからね。

 パワハラを認めてるわけじゃないんだ。老害と言われるかもしれないけど、負荷をかけられたことがない人は成長できないよ。

 今年も酷暑が続いたことを考えると、全員平等に暑いわけ。気候は人権なんて考えてない。平気で40度超えになるんだからさ。

 やまちゃんがペーペーだった時代も酷暑と言えるはず。上からキツく言われるし、客にも責められるわけ。酷暑だと思えば死なないように、うまいこと水分補給したりして生き延びてこれるんじゃないのかな。酷暑も、いつかは終わる。いつかは秋になる。考え方次第。

 むろん、限界はあるよ。そうやって我慢してみるのもいいんじゃないのかな。半径3メートルにスーパースターっているんだよね。

玉袋筋太郎(たまぶくろ・すじたろう)
1967年生まれ。東京都新宿区出身。86年にビートたけしに弟子入りし、翌年、水道橋博士と浅草キッドを結成。一般社団法人全日本スナック連盟会長。