■「乃木坂46」での経験が“梨園の妻”ではプラスに働くか

 芸能評論家の三杉武氏は、能條が梨園の妻となることについて「確かに、歌舞伎役者と結婚し、いわゆる“梨園の妻”になると、夫の女性関係など多くの点で苦労しがちなところはありますよね……」と話し、こう続ける。

「芝翫さんを巡る報道もそうですが、やはり歌舞伎役者は、華やかな存在であってしかるべきという風潮があるし、営業も兼ねて多くの場所を巡る。そうしたなかでどうしても女性関係が派手になりがちで、苦労する妻がいるのも事実ですよね」

 三杉氏はさらに続ける。

「人気の女性芸能人が歌舞伎役者と結婚した場合、まず苦労するのは、これまでと立場が“逆”になることです。これまでは周囲のスタッフや共演者が支えてくれて“表”に出る側だったのが、裏方のような立ち位置になりますよね。一歩下がって歌舞伎役者の夫を立てるだけでなく、一座全体のサポートや、タニマチへの挨拶回りなど、多くのことが求められますからね。

 最近で言えば、トップ女優である藤原紀香さん(54)と片岡愛之助さん(53)の結婚が発表された際には、周囲から不安の声が多かったといいます。もっとも、その後の紀香さんの良妻ぶりから、現在では高く評価されていますが」

 藤原は2016年に愛之助と結婚。当初はバッシングも多く、21年7月発売の『女性自身』(光文社)では、結婚当初は義理の父親・片岡秀太郎さん(享年79歳)が「3年しかもちませんわ」と周囲に漏らしていたが、後に「できた奥さんだ」と認め、最期には感謝の言葉を口にしていたと報じられた。藤原が来場する愛之助の公演の入場者数は、来場しないときと比べ2割増しになるとも報じられた。

 藤原と同じく芸能人として活躍してきた能條だが――三杉氏は、「乃木坂46、つまりグループで活動してきた経験は、梨園でも武器になると思います」と分析する。

「グループで活動するアイドルだったというところは、梨園の妻としてプラスに働くのではないでしょうか。後輩を育成するとか、センターを目立たせるためにあえて一歩下がるとか、そういったスキルは身についているはず。能條さんは乃木坂時代には、『乃木坂って、どこ?』(テレビ東京系/~15年4月末)などバラエティ番組でも活躍していましたから、周囲の空気を読む能力にも長けていると思われ、その意味でも梨園の妻としての適性がある人という感じがします」

 また、夫となる橋之助については、

「歌舞伎界の親子で言えば、中村勘三郎さん(享年57)は女性関係が派手な印象のある人でしたが、その息子の中村勘九郎さん(44)はそういったことがなく、女優の前田愛さん(42)と結婚してからも浮気などの話は全くないですよね。橋之助さんもそうなるのではないかという感じがします。

 橋之助さんは、母である三田さんの苦労を間近で見てきたでしょうし……やはり、時代も変わりましたよね。昔のような“梨園の常識”ではなく、現在の価値観で生きているところはあるのではないでしょうか」

 挙式・披露宴は2026年初夏。それまでも、能條は三田から多くのことを学ぶのだろう――。

三杉武(みすぎ・たけし) 芸能評論家
早稲田大学を卒業後、スポーツ紙の記者を経てフリーに転身。豊富な人脈をいかし、芸能評論家として活動している。多くのニュースメディアで芸能を中心にしたニュース解説を行ない、また「AKB48選抜総選挙」では“論客”とて約7年間にわたり総選挙を解説してきた。