■波瑠ら4人のチーム感がポイント
しかし、X上では、脚本や演出に対するツッコミは少なく、《偽ママというありえない設定なのに、ママとマミーがいろはさんのために一生懸命頑張っている姿を応援している自分がいる》《やってること間違ってるけど、理不尽と戦ってる薫と茉美恵に頑張って欲しくなっちゃう》などと、薫(波瑠)、茉海恵(川栄)、いろは(池村)を応援する声が多い。
その理由は、波瑠と川栄李奈、子役の池村碧彩の好演によるところが大きい。3人のやりとりのシーンでの、呼吸の合い方は見ていて楽しいし、なんとなく応援したくなってしまう。頼りがいがあるんだか、ないんだかわからない中村蒼が、担任・智也役にハマっていて、3人の味方になる流れも良かった。
演技経験が少なく、キャスト的に弱点と思われた向井康二も、なんとかフォロー役として健闘している。特に最近は、素のキャラに近いコミカルで動きのあるシーンが増えてきたこともあって、上記の4人に負けない存在感を示している。キャスト陣の演技で、細かいところが気にならない。これが本作の好調さの要因だろう。
慎吾(笠松)は、いろはが自分の娘だと確認するため茉海恵に接触。薫と仲が良いママ友で慎吾の妻・さゆり(田中みな実/38)も、不穏な動きを見せるなど、物語は佳境に入ってきた。TVerのお気に入り登録数は日曜劇場『ザ・ロイヤルファミリー』(TBS系)の92.5万に迫る勢いで、今後の展開次第で追い抜く可能性もありそうだ。(ドラマライター・ヤマカワ)
■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。