俳優・吉沢亮(31)主演の映画『国宝』(6月6日公開)の興行収入が170億円を突破したことが、11月10日に明らかになった。興行収入はまだまだ伸び続けており、邦画実写の興収ランキング1位の『踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』(2003年/173.5億円)を超えるのは、秒読みと見られている――。

 映画『国宝』は、吉田修一氏(56)による同名の小説(朝日新聞出版)が原作。任侠の家に生まれながら、歌舞伎名門の当主・花井半二郎(渡辺謙/65)に引き取られ、芸に人生を捧げた男・喜久雄(吉沢)の50年を描く一代記だ。

「当初、『国宝』の興収は10億円ほどでは――という見方もあったといいますが、いざ公開されるとどんどん数字を伸ばして、日本映画史上に残る特大ヒット作となりましたよね。口コミで“面白い”“これは観とかないと”といった好評がジワジワと広まり、新規の観客、さらには何度も観るリピーターが続出したことも成功の理由だと言われています。

『国宝』は、大作でも製作費10億円程度とされる邦画では異例の12億円が投じられたのですが、『国宝』の3か月後に公開された“製作費25億円”の大作は、かなり厳しいことになっていますよね……」(芸能プロ関係者)

 その映画とは、妻夫木聡(44)主演の映画『宝島』(9月19日公開)。第160回直木賞を受賞した真藤順丈氏の同名小説(講談社)を原作に、『るろうに剣心』などで知られる大友啓史監督が映画化した作品だ。

 第二次世界大戦後、アメリカに統治されていた時代の沖縄を生きる幼馴染のグスク(妻夫木)、ヤマコ(広瀬すず/27)、レイ(窪田正孝/37)、そして、1952年に行方不明になった彼らのリーダーのオン(永山瑛太/42)を中心とした物語。彼らの友情や、自由への葛藤などを、沖縄の歴史とともに描く、20年にわたる壮大な物語である。

『宝島』は、小説が原作であること、莫大な製作費が投じられていること、上映時間の長さ(※『国宝』は174分、『宝島』は191分)など、『国宝』との共通点の多さも話題になった。

『宝島』の評価は決して低くはない。『第38回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞』では『国宝』が7部門、『宝島』も6部門でノミネートされたことが発表されたが――。

「『宝島』は、興行収入では大変厳しい。9月19日に公開された作品ですが、10月5日までの時点で興収は約5億円だと報じられていて、そこから爆発的に伸びている感じはありません。

 まだ上映されてはいますが、上映館も6月公開の『国宝』に比べても少ないですからね。『国宝』は、大手シネマコンプレックス『TOHOシネマズ』を有する東宝配給の映画ではあるのでしょうが……」(前同)