中高年を中心に“夜中にトイレで起きてしまう”という悩みを抱える人は少なくない。気温が下がり始めた今、その悩みはさらに増える時期だろう。

「寒いと尿意を感じやすくなるのは、『寒冷利尿』と呼ばれる体の自然な反応によるものです」

 こう説明するのは、所沢いそのクリニック院長の磯野誠氏。

「主な原因は、血管の収縮と腎臓への血流増加です。体が寒さを感じると、体温を逃がさないように手足の末梢血管が収縮し、体の表面を流れていた血液が内臓に集まります。その結果、腎臓を通過する血液量が増え、尿の生産量も増えてしまうんです」(前同)

 体を温める食材を取り入れることで、尿意は軽減されるという。

「ショウガに含まれる、ショウガオールやジンゲロールといった成分には、体を内側から温める作用があります。夕食に少量取り入れたり、就寝前にカフェインの入っていない生姜湯を少量飲むのがおすすめです」(同)

 同じく体を温める食材として、山芋も効果的だ。

「滋養強壮に役立つうえ、水分の代謝を整える働きを助けるとされています。加齢による体の機能低下を補うためにも、日々の食事に是非取り入れてほしいですね」(同)