芸能界を知り尽くす山田邦子が、昭和・平成・令和の“あの人との思い出”を語るコラム。ゆかりのある芸能人との裏話や舞台裏を通じて、芸能界の今昔を浮き彫りにする。

 この連載も今回で最終回。皆さん、ありがとうございました!

 最後のテーマは私が現在、11代目会長を務める一般社団法人「日本喜劇人協会」についてお話ししましょう。

 日本の喜劇人が集う社団法人で、過去の会長は榎本健一さん、森繁久彌さん、三木のり平さん、由利徹さん、大村崑さん、小松政夫さんなど、錚々たる顔ぶれというか、皆さん顔が面白い。「鼻が大きい」とか「メガネがずれてる」とか、まるで民芸品です。

 5代目会長ののり平さんとは家がご近所で、私は“のりパパ”と呼んで、仲良くさせていただきました。ご自宅で、ご飯をごちそうになったこともあります。

 あるとき、のりパパの家の地下にある稽古場で、当時の若手が集まって酒盛りをしていて。「飲み足りない」とキッチンに行って冷蔵庫を開けると、その光に照らされたのりパパが「さっきから見ていたよ!」。

 暗いキッチンに、ずっといたんです! 意地が悪いでしょ(笑)。