■竹内涼真・夏帆もすごいが……
また、ミナトについて《ミナトが結婚願望の違いで鮎美の大切な時間を奪うから別れようって言ってくれたの、ちゃんと誠実でいいと思った。年齢を重ねるほど結婚の現実は重くなるし、長く付き合ってから結婚のことで別れるのが一番しんどいからね》など、人格を再評価する声が多く寄せられていた。
今回も勝男の気づきや鮎美の成長が描かれたが、全体として動きはおとなしめだった。そんなメインの2人だけでなく、ミナトの鮎美への愛が本物だったこと、ミナトを責めたものの、それに気づいて反省する南川(杏花/26)の心情の変化なども描かれた。このサブキャラもしっかり描いてくるのが、本作のスゴいところだ。
通常の連ドラは階段の踊り場現象、いわゆる一時的な停滞回ができてしまいがちで、視聴率の数字も落ちるが、本作は落ちるどころか逆にアップさせている。これは、巧みな演出とサブキャラの配置で、大きなハプニングのない回でもまったくダレないため。社会現象的な人気の秘密と言ってもいいだろう。
次回は、菊池亜希子(43)が鮎美の姉・さよりとして登場する。公式サイトによると、さよりは山岸家の家族仲を悪化させる原因になるほどの問題児。山岸家と海老原家の顔合わせをかき乱すそうで、おそらく、“さす九”な勝男の父・勝(菅原)との対決となるだろう。菊池というまたも強力そうなサブキャラ俳優が登場し、さらに盛り上げてくれそうだ。
本作のTVerのお気に入り登録数は、1週間で10万近いペースで増えている。通常の火曜ドラマは全10話。残り4話で40万上乗せするとしたら、同局系の日曜劇場『VIVANT』の最高数、191.8万を超えることになる。ドラマの展開とともに、今後の数字の動きにも注目だ。(ドラマライター・ヤマカワ)
■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。