■記憶改変疑惑に「分岐点」発言に――不穏展開の連続
『ちょっとだけエスパー』の視聴者の間では、命の選択を強いられる有名な倫理学「トロッコ問題」を連想し、
《どちらに転んでも想定の人数が死ぬ可能性があるトロッコ問題なのか…?》
《最悪のトロッコ問題みたいな話が出てきた。これあれですか?一千万人を救うか、一万人を救うかで、多い方を選ぼうとしてるパターンですか??》
《文太は、1万人を救うのか、そのせいで1000万人が死んでしまうのか、、、板挟みじゃん、、》
と、今後の展開を不安視する声が多く寄せられている。
そして、11月18日の第5話で描かれた不穏な展開はそれだけではない。宮崎あおい演じる四季を巡るところでも、きな臭い描写が見え隠れするようになった。
四季は夫を事故で亡くしたショックで、文太(大泉)を夫だと思い込んでいる。文太が現われる前はエスパーの1人で、「ノナマーレ」社宅の管理者でもある円寂(高畑淳子/71)が面倒を見ていた。円寂は、兆(岡田)から“四季の父親が知り合いで、お世話を頼まれた”と説明を受けたと記憶していて、仲間も「ボスの恩人の娘」と認識していた。
ところが、第5話で円寂はふとしたことから、その記憶に違和感を覚える。兆に確認すると「事情があってある人から面倒を見るように頼まれました。(それは)四季さんの父親ではありません」と言われたことでその場は納得したが、視聴者は演じる高畑の表情やBGMから、
《円寂さんの記憶もなんだかあやふやな箇所が…あやふやというか「あれ…?なんで私そう思ったんだっけ…?」みたいな。みんな記憶が乱れてるのだろうか…》
《高畑淳子さんの『私の勘違いだったかしら』や四季/宮崎あおいの記憶不確かさをみるに記憶改ざん能力の可能性もあるかな》
《記憶改変とかあるよね。。円寂さんも記憶が食い違ってたりしたし、、ヴィランだと思ってた人たちもなんだか様子がおかしいし、、》
と、あらためて“記憶改変”の可能性を疑う声が多い。
さらに四季はこれまで“夫(大泉)が重傷で死ぬ悪夢”を見続けてきたが、第5話ラストでは、重傷を負っている男性の顔が兆らしき男性に。次回予告では、四季の「私、兆さんに会ったことありますか……?」というセリフも紹介された。
このほかにも、第5話では兆が文太に自分の目的を説明する際に「世界の分かれ道。言うなれば分岐点」と、野木作品では重要な要素として使われがちな“分岐点”というワードが登場したほか、エスパーたちが市松(北村)の妨害を受けている場面で麿赤兒(82)演じる、謎の白づくめの男が登場し、「ジャンクション(分岐)を元に戻す」と意味深に言って雪を降らせて消えるなど、不穏な展開が多く描かれ、
《亡くなるのって四季だったりしない? 大人数が亡くなるのと四季一人を天秤にかけて…とかになりそうで不穏》
《いつもの和やかムード満点だったのに、SPミッション始まるあたりから、全体的に不穏な空気が漂い始めて、ラストは完全にダークな展開》
《瞬間移動でもしたのかなとか考えてた突如現れてジャンクション(分岐点)を回収しにきた謎のESP能力者、カプセル(※エスパー能力の素)と深い関わりありそう》
といった、衝撃的な展開を予想する声が多く寄せられている。
「野木さんは放送前の囲み取材で“ちょっと楽しいこと~”と言っていましたが、良い意味ですが裏切られた感じですよね。視聴者の間では《野木さんのコメディやろうと思ってが回を増すほどに大嘘になってく》《本当一話の頃はほのぼのコメディドラマだと思ってたのに…さすがすぎる》なんて声もあります。
事前に、これまでの“野木作品”とは違う感じの作品だと説明することで多くの視聴者に気軽に見てもらい、その上で豪快に裏切って衝撃的で刺激的なドラマを見せる――もしかすると、放送前の囲み取材の時点で、野木亜希子作『ちょっとだけエスパー』の“戦略”は始まっていたのかもしれませんね……」(前出の制作会社関係者)
『ちょっとだけエスパー』という可愛いタイトルも“裏切りの伏線”だったのでは、といった声も上がる25年10月期のテレ朝火曜ドラマ。ここから、どんな波乱の展開が待っているのか――ドラマファンは大注目しているようだ。