■高石あかりや池脇千鶴のアドリブ的なやり取りも話題に

 11月19日放送回の冒頭では、トキ(高石)がスキップの練習するを際「母上もやってみてよ」「え、ちょっと何それぇ?」と、役が抜けたような口調で話したり、最後には高石、池脇、円井の3人が、役を演じているというより、現場ではしゃいでスキップして遊んでいる様子をそのまま放送したような、絶妙な面白さのあるやり取りが流れた。

 そんなコミカルなシーンが印象に残りやすい『ばけばけ』だが、制作統括の橋爪國臣氏は《この物語はコメディーですが、誰一人として笑わそうと思って芝居をしていません。演出もしていません》と、メディアへの取材で明言。

 今回の“スキップ回”についても、11月19日配信の『シネマトゥデイ』に《わざとらしくなるとダメなので、撮影現場で“できないスキップ大会”を俳優部とスタッフで行いました》《出演者がそれぞれ自分の演じるキャラクターの個性を考慮し、動きを考え、今の最終形にたどり着いたという感じ》と、裏側を明かしている。

 また橋爪氏は、アドリブのようで台本通りの場面も多いことを明かしているのだが、高石が吉沢と「アドリブ合戦」を繰り広げた場面があったとコメントしたことも。少なくとも、現場が演技派俳優たちの芝居合戦によって盛り上がっていることは間違いないだろう。

「放送前、『ばけばけ』は明治時代が舞台のため“作品として戦争など山場がなくて盛り上がりに欠けるのでは”と懸念する声もありました。しかし、今回の“スキップ回”のように、特別な山場ではない日常回も視聴者に大ウケですし、数字も右肩上がりですよね。その理由は、脚本の秀逸さももちろんですが、やはり俳優陣の演技の素晴らしさにあるのではないでしょうか。

 同作のキャストは、2892人が受けたオーディションを勝ち抜いた高石さん、橋爪氏が熱烈オファーをした池脇さん、大ベテランの小日向さんなど、超実力派で役者として魅力的な俳優ばかり。彼らが高い演技力を生かし、予定調和感のない、時にはアドリブも繰り出す絶妙な芝居を繰り広げることで、作品が大いに盛り上っているところはありそうですね」(芸能プロ関係者)

 俳優陣のコミカルなやり取りが好評な『ばけばけ』。「神回」の声も出るスキップ回で、同朝ドラの魅力があらためて視聴者にも伝わったようだ。