■森七菜も…振興事務所からのブレイク女優“あるある”
新興事務所で新進気鋭の女優が活躍し、事務所のトラブルに巻き込まれた例として記憶に新しいのは、森七菜(24)だ。
2016年、15歳のときに前所属事務所『ARBRE(アーブル)』のマネージャーに地元・大分でスカウトされ、東京での活動を開始。翌17年には映画『心が叫びたがってるんだ。』で映画初出演、同年は『先に生まれただけの僕』(日本テレビ系)でテレビドラマ初出演するなど、ロケットスタートを切ったが……。
「19年には新海誠監督のアニメ映画『天気の子』でヒロインの声優を務め、20年にはNHK連続テレビ小説『エール』でヒロインの妹役を務めるなど、飛ぶ鳥を落とす勢いだった彼女ですが、21年1月、突如として所属事務所の公式サイトからプロフィールが削除されたんです。さらに、公式インスタグラムアカウントも削除。
後日、『ソニー・ミュージックアーティスツ』との業務提携が発表されましたが、移籍を巡ってのゴタゴタが各所で報じられた結果、“移籍トラブル”のあった女優として、2年ほど露出が激減していました。
ただ現在は、邦画史上に残る超ヒット映画『国宝』などで演技力の高さを見せつけるなど、完全復活を遂げていますが」(前出の芸能記者)
本人の不祥事ではなくとも、周囲、事務所ののゴタゴタにより、タレントのイメージに悪影響を及ぼしてしまったり、仕事に影響が出てしまうようなケースは他にもあった。今田に関しても、良からぬ影響がないといいのだが――芸能ジャーナリストの三杉武氏が、特殊な業界事情に言及する。
「人と人の関係で成り立っている芸能界だからこそ、とにかく“筋を通す”ことや“恩”、“義理”が大切な業界です。
そういうなかで、どこかの会社とトラブル沙汰を起こした事務所は、代理店やテレビ局などが警戒するようになってしまいます。タレント本人には全く非がない話ですが、起用する際にとっては“あの事務所は他でトラブルを起こしていたから、自分たちのところでもトラブルを起こす可能性があるのではないか”という心配が生じてしまうものです。
同じくらいの実力、人気を持つタレントが2人いたとしたら、所属事務所がトラブルを抱えていない方が選ばれるでしょう。起きたトラブルを解決するのは本当に大変で、だからこそ絶対に避けたいですからね」
それでは今回の騒動が、今田の今後に与える影響はあるのだろうか。
「訴訟を起こした相手が老舗で、業界では大きな影響力を持つので、多少の影響はあるかもしれません。かといって、元SMAPのメンバーがテレビ出演できないよう圧力がかかった疑惑(2016年)が出て以降、公正取引委員会が芸能界への関心を強めています。ですので、今田さんになんらかの圧力がかかるようなことはないでしょう。
ただ今後、深刻なトラブル報道が続くようなことがあれば、業界内で”扱いづらい“イメージがついてしまう可能性はあるでしょうね……」
そんな事務所のトラブルが報じられるなか、今田本人は大人気韓国人俳優のチ・チャンウク(38)とのダブル主演を務める日韓共同ドラマ『メリーベリーラブ(仮)』が2026年にディズニープラスで配信されることが決まっている。
きっと今田なら、女優としての実力で風評被害を封じ込めることだろう。
三杉武(みすぎ・たけし) 芸能評論家
早稲田大学を卒業後、スポーツ紙の記者を経てフリーに転身。豊富な人脈をいかし、芸能評論家として活動している。多くのニュースメディアで芸能を中心にしたニュース解説を行ない、また「AKB48選抜総選挙」では“論客”とて約7年間にわたり総選挙を解説してきた。