「依然、若年層の視聴率ではトップの座に君臨する王者・日テレですが、最近は“ちょっとどうなんだろう……”と思える判断も散見されますよね」
そう言うのは芸能プロ関係者だ。11月20日、日本テレビの音楽番組『with MUSIC』(土曜午後10時)が来春をもって終了することが明らかになった、と日刊スポーツで報じられた。
19年半続いたバラエティ番組『世界一受けたい授業』終了後の2024年4月にスタートした『with MUSIC』。
報道番組『news zero』卒業直後の有働由美子(56)がMCを、俳優・シンガーソングライターの松下洸平(38)がアーティストナビゲーターを務め、アーティストの歌唱のほか、魅力を掘り下げるトークなどで世界に邦楽のよさを発信することを目指す次世代の音楽番組として期待されたものの、視聴率などが振るわず約2年で終了するようだ。
「スタート時は午後8時台の放送だった『with MUSIC』ですが、今年4月5日からは10時台の放送になり、結局は2年で打ち切りと……。さらには『水曜ドラマ』を土曜に移して、また水曜日に戻すなど、テレビ関係者の間でも、日テレの編成に疑問を感じる、という声も出ていますね」(前同)
日本テレビは24年の春改編で1991年から連続ドラマを放送してきた水曜午後10時台の「水曜ドラマ」枠を終了させ、土曜午後9時台に「土ドラ9」というドラマ枠を新設。土曜の夜は午後9時台と10時台にそれぞれドラマを放送するという編成になった。
「日テレの水曜ドラマ枠は、かつては篠原涼子さん(52)主演の『ハケンの品格』(07年1月期、20年6~8月)、最終回に世帯視聴率40%を叩き出した松嶋菜々子さん(52)主演の『家政婦のミタ』(11年10月期)などを放送してきた伝統枠でした。ですが、22年4月クールにフジテレビが水曜ドラマ枠を復活させたことを嫌がってでしょう、日テレは水曜ドラマ枠を廃止しました。
ただ、ここ最近の日テレのドラマは数字が取れない作品が多く、新設した土曜9時台のドラマの視聴率も低く、その後に始まる10時台のドラマも見られないことに。結果、両枠とも視聴率は壊滅状態となり、今年4月クールにはわずか1年で水曜ドラマ枠が復活し、土曜10時台のドラマはなくなりました。
ただ、今まで水曜ドラマを見ていた人の視聴習慣も途切れてしまったのか、復活した水曜ドラマの視聴率も振るっていません。現在放送中の『ESCAPE それは誘拐のはずだった』はそれなりに健闘しているのですが……」(前同)
日テレの番組では、メイプル超合金・カズレーザー(41)の『カズレーザーと学ぶ。』(火曜22時)が終了することにも疑問を呈する声が上がった。
22年10月にスタートした『カズレーザーと学ぶ。』は、「小難しい、でも知れば人生がちょっと変わる」という最新の学説を各界の専門家から学ぶ新スタイルの教養番組で、“超ハードコア教養バラエティ”を謳い人気を博したが、今年9月2日に最終回を迎えた。
「『学ぶ。』は、世界的な研究者が出演するアカデミックで学びのある番組でした。大学の講義をテレビ向けに楽しめるようにアレンジした唯一無二のコンテンツとして、同時間帯の『報道ステーション』(テレビ朝日系)などを好むインテリ層からも見られていました。
視聴率も堅調で8月19日放送回は世帯視聴率8.5%(すべてビデオリサーチ調べ、関東地区)、テレビ各局が重視する個人視聴率とコア視聴率(13~49歳までの個人視聴率)は4.6%と2.7%でした。一方、同枠でスタートした『X秒後の新世界』の11月4日放送回は、世帯4.5%、個人2.6%、コア2.0%と振るっていないんです。もちろん、前の番組の視聴率によって数字に変化は出てくるものですが」(制作会社関係者)