■『じゃあつく』勝男と鮎美の結婚はないとなると…

 勝男(竹内)も鮎美(夏帆)も、親の影響を何らかの形で受けていたことに気づき、自分の意思で生きようとする再出発の回だった。勝男の父・勝(菅原大吉/65)の「お前には期待しちょらん」という言葉は、勝男にとって解放の言葉だったかもしれない。2人とも、“しがらみ”や“こだわり”に囚われることを、堂々と拒めるようになった。

 気になるのは、勝男と鮎美が今後、どうなるかということ。原作の漫画は未完で先が読めないため、X上では、《はじめは勝男1人でこなすようになってから改めて鮎美とうまくいけば…と思っていたけどこの物語は2人が復縁するエンドじゃなくても良いのかも、と思わされた7話だった》などと、復縁するのかしないのか意見が揺れている。

 これからはドラマオリジナルの展開になると思われる本作。原作者の谷口氏はTBSの公式サイト『TBS DORAMA』のインタビュー(11月18日更新)で「原作と切り離して、ドラマとして自由に表現してもらいたいと思っている」とコメントしている。

 とはいえ、漫画より先に結婚してしまうとか、決定的な未来は描かないだろう。結婚を前提にした恋人という考えとは違う、互いに自立した個人の関係として、再出発するのではないか。親の呪いから解放され、新しい男女関係や夫婦の形を描いて大ヒットした『逃げるは恥だが役に立つ』(同局系)は、事実婚を選択しようと議論するも、最終的には正式に結婚したが、本作は――?

 次回は、勝男のマンションに母・陽子が家出してやって来る。父・勝との間で何かあった様子なので、親夫婦の関係が再構築されそうだ。一方、鮎美は、椿(中条あやみ/28)に「勝男への想いが戻ったりはしないのか」と聞かれて戸惑う。2人の関係も変化しそうで、今後の展開に注目だ。(ドラマライター・ヤマカワ)

■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。