■AI導入で働き方に変化も……

 AIの進化も、この新しい働き方を支える要素の1つです。データ処理や顧客対応、資料作成といった定型業務をAIが担うことで、人間はより創造的で戦略的な業務に集中。従来週5日かかっていた業務を週4日で完遂できる可能性が出てきました。

「導入メリットとしては、育児や介護との両立による離職率の低下、スキルアップや副業の時間確保、生産性の向上、ウェルビーイング(心身・社会的に満たされた状態)の改善などが挙げられます。企業にとっても、採用競争力の向上や定着率の改善、オフィスコスト削減といった効果が期待できる。一方で、給与減少や業務負担の増加、評価制度の再設計、職種による導入制約、AI活用業務でのトラブル発生など、課題も少なくありません」(ビジネス誌編集者)

 こうした動きをめぐり、ネット上の意見もさまざま。《週4日勤務になったら家族と過ごす時間が増えるから嬉しい》《趣味や自己投資に時間を使えるようになり、生活の満足度が上がると思う》《集中できる時間が増えて仕事の効率が上がる》と歓迎される一方で、《給与が減るのは不安》《AIに頼りすぎると仕事のやりがいが下がるのでは》と懸念する声も見られます。

 働く時間の短縮によって生産性が下がるという従来の常識が覆りつつあるなか、週4日勤務や選択的週休3日制は未来の理想ではなく、現実に働き方の常識を変える選択肢となっていくのではないでしょうか。

トレンド現象ウォッチャー・戸田蒼
大手出版社でエンタメ誌やWEBメディアの編集長を経てフリー。雑誌&WEBライター、トレンド現象ウォッチャーとして活動中。