阪神タイガースのレジェンド、“ナニワの春団治”こと川藤幸三が猛虎愛を語り尽くす熱血コラム。OB目線の激励から時には喝も……熱き魂が炸裂する!
今シーズンの個人タイトルを見たら、タイガースの強さがよう分かる。
投手部門は村上が最多勝、最高勝率、最多奪三振の3つを獲り、才木が最優秀防御率。打者部門もテル(佐藤輝明)が本塁打、打点の二冠に輝き、近本が4年連続6度目の盗塁王や。
この中でワシが注目したいのは打点やな。テル、森下、大山とクリーンアップに座る3人が、打点部門の1位から3位を占めた。こんなことは過去のタイガースにあったんやろか。
1985年に日本一になったときはバース、掛布、岡田の3人が、ともに100打点以上。トータルで344打点やからな。ただ、当時は打高投低の傾向が顕著で、クロマティやレオン・リーも100打点超えの数字を残した。
単純な比較はできんけど、今のような投高打低の状況にあって、3人の打点の多さは褒めてええ。テルと森下はホームランも、それぞれ1位、2位やしな。
2人に比べると、どうしても地味な印象になりがちなのが5番を打つ大山や。けど、チームへの貢献度が劣っているわけやない。
出塁率は広島・小園に次いで2位やし、74四球は両リーグを通じて1位や。これは「四球はヒットと同じ」という、オカ(岡田彰布)が監督だった時代からのタイガース野球の真骨頂といってもええ。