スーパー戦隊シリーズ50周年記念作『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』(テレビ朝日系)の第40話が、11月30日放送された。同回は、不祥事により前任・今森茉耶(19)が緊急降板した“一河角乃/ゴジュウユニコーン”役を、志田こはく(21)が引き継いだ初放送回。これまでの経緯、実際の放送内容から、Xで関連ワードが多数トレンド入りするなど、大盛り上がりすることとなった――。

『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』は、自身の願いを叶えるために巨神テガソードと「指輪の契約」を交わした戦士たちの物語。新たに志田が演じることになった“一河角乃/ゴジュウユニコーン”は、愛嬌とクールな一面を使い分けるハイクラス&ラグジュアリー名探偵。キャスト変更はこれらの設定を生かし、“探偵として潜入捜査するにあたり、テガソードに顔と声を変えてもらったが、元に戻せなくなった”という展開になった。

 前任の今森を巡っては、9月11日発売の『週刊文春』(文藝春秋)に、同戦隊のレッド・ゴジュウウルフ役の“スーツアクター(キャラクタースーツを着て演技を行なう俳優)”である浅井宏輔(41)との戦隊内不倫疑惑、18日発売号には続報として、今森がプロサッカー選手とも交際している“二股疑惑”が報じられた。今森の所属事務所は、二股については強く否定したが、浅井との不倫疑惑は「事実確認を行なっている」とのことだった。

 そして第37話放送前日の11月8日、まだ19歳の今森が飲酒をしていたことが発覚。所属事務所はマネジメント契約の解除を発表し、『ゴジュウジャー』からも降板することになった。

 今森は第37話(9日)から出演シーンを完全にカットされ、変身後のゴジュウユニコーンの声は声優の前川綾香が演じる措置が取られたが、同月15日、志田が新たに“一河角乃”を演じることが発表された。ちなみに、志田と今森は、UniReel配信ドラマ『最期の授業-生き残った者だけが卒業-』(24年11月配信)で共演したことがあるため、それを思い出す声もあった。

 作品を放送しているテレビ朝日は、11月25日の定例会見で今森の降板に言及。西新社長が「子ども向けの番組ですので、このような事案が発生したことについては誠に申し訳なく思っています」と謝罪し、損害賠償などについては「現状何も考えていない」とした。

 このように『ゴジュウジャー』は50周年記念作でありながら、前代未聞のトラブルに見舞われ、ファンはもちろん現場も大揺れになってしまったわけだが――結果的に、作品にとってプラスに働いている部分があるという見方も。

 というのも、まず何より、戦隊ファンにとって信頼の厚い志田が起用されたことは大きい。志田は『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』(2022年)で“鬼頭はるか/オニシスター”を1年間演じていたこと、そこで見せた高い演技力から、『ゴジュウジャー』の現状と作品テーマにちなみ、彼女を《救世主ナンバーワン》《救いの女神》と評する声も多い。

 志田は『ドンブラザーズ』が映像作品デビュー作だが、当時からバリエーション豊かな顔芸やアドリブの巧みさなど、圧倒的な才能を発揮。今年は『なんで私が神説教』(日本テレビ系/4月期)、『浅草ラスボスおばあちゃん』(東海テレビ制作・フジテレビ系/7月期) 、『プロパガンダゲーム』(MBS制作・TBS系/11月19日~)と、3クール連続で地上波連ドラに出演している売れっ子。彼女は、そんな多忙な時期での代役出演となった。

『ドンブラザーズ』を担当した白倉伸一郎プロデューサーは、志田がメインキャストで最年少だったが現場では監督がほかの俳優に「志田を見習え」と言っていたほど一本立ちしていた“逸材”だったと、コメントしている。