■日中関係悪化でも中国での“日本人イベント”が継続されているワケ

 中国政府関係が、日本人アーティストの公演を厳しく取り締まっていると見られているが、「すべての公演を把握するのは不可能でしょう」(前出の広告代理店関係者)とのことなのだ。

「有名人だったり有名企業、大規模な公演、イベントをチェックしていると見られます。ただ、小規模の細かいものまでは確認しきれないでしょう。

 今、中国では日本人アーティスト、日本のアニメやゲームなどのコンテンツは大人気。それらのファンの熱はアツく、現地の人たちは公演やイベント開催を熱望しているんです。ですので、主催者側もどうしても予定通り開催したい。ファンの期待に応えたいですし、やはりビジネスですからね。自分たちが食っていくためにもなんとか開催したいわけです。

 そのため、現地の主催者側は日本人の演者の立場や安全を守るよう努め、不測の事態が起こったとしても、ギャラ含めて迷惑はかけません、という必死のスタンスでいるんです。

 大々的なイベントは中止に追い込まれていて、“日中のエンタメ交流もこれで終わりか……”と思われていますが、実態はそうではないと。もちろん、それも今後の情勢次第でしょうが……」(前同)

「バンダイナムコフェスティバル2025」で大槻が強制退場させられるショート動画は、中国のSNSでも拡散。中国国内からも《非常に乱暴なやり方だ》《歌手に対して失礼だ》などの批判的な声が上がったと報じられている。

「国同士の衝突ですから簡単に解決する問題ではないですよね。ただ、民間では日本のエンタメは今なお中国でも求められていますし、主催者側もファンのニーズに応えるためになんとか開催したいと動いていると。大槻さんのステージが強制終了となる映像は衝撃的でしたが、それでもすべてを“潰す”ことはできないのではないでしょうか」(同)

 国同士の関係は冷え切っているが、日本のエンタメを楽しみたいという中国のファンのニーズは今も変わらず高いようだ。