『サマーウォーズ』(2009年)などで知られる細田守氏(58)が原作・脚本・監督を担当する最新アニメ映画『果てしなきスカーレット』が11月21日に公開されたが、公開から2週間目にして大コケの気配が立ち込めている――。

『果てしなきスカーレット』は、2021年公開の『竜とそばかすの姫』以来4年ぶりとなる細田作品。中世の時代、父の死への復讐という危険な旅に出た剣士の王女・スカーレットが“死者の国”で目覚め、現代からやってきた看護師の青年・聖と時を超えた出会いを果たし、彼への信頼と愛情に、心動かされ変化してゆく感涙の物語。主人公・スカーレットを芦田愛菜(21)、聖の声を岡田将生(36)が務める。

 同作は日本テレビが企画・制作に協力していることから、11月には『金曜ロードショー』枠で細田守監督作品を『おおかみこどもの雨と雪』(12年)、『バケモノの子』(15年)、『竜とそばかすの姫』、『時をかける少女』(06年)の順で4週連続放送するなど、プロモーションにも力を入れていたのだが……。

「前作『竜とそばかすの姫』の初週末3日間の興行収入は8億9000万円でしたが、『果てしなきスカーレット』は初週末4日間(※月曜が祝日)で2億7000万円。3分の1未満という相当厳しいスタートとなりました。

 その後も客足が伸びる気配はなく、SNSでは“昼なのに自分を入れて客が3人しかいなかった”なんて声も……。日本テレビの澤桂一専務、福田博之社長も定例会見で言及していましたね」(女性誌編集者)

 12月1日の定例会見で澤専務は『果てしなきスカーレット』の不調に「細田監督の従来の作品とはかなり毛色、テイストが違う作品でありまして、従来のファンから戸惑い、驚きがあったのかなと思っております」と分析。実際、SNSでも、『果てしなきスカーレット』のビジュアルには細田作品を象徴する“青空と入道雲”が用いられていないことが指摘されている。

 同会見で澤専務は「今月からは台湾、アメリカなど世界での公開が始まりますので、こちらの方も期待したい」と海外展開に言及し、福田社長は「圧倒的な映像美とスケールの大きな世界観、芦田愛菜さんのセリフ、凄いものだなと思った。見ていただけないと残念でなりませんので、ぜひ見ていただけたら」とアピールした。

 澤氏は同会見で「SNSでかなり辛口の批判が起こりました。一方で非常にいい内容だったという声もありますが、ネガティブな意見が強い中でかき消されているのが現状」ともコメントしている。

 そんな『果てしなきスカーレット』には、

《芦田愛菜ちゃん素晴らしい テレビで歌ってくれないかな てかもう一度映画館で観たい。結末知ってから観るとまた違うだろうな》
《確かに画面も暗いし世界観も難解だけど、あのアニメーションと音楽だけでも全然元取れるくらいよかった》

 など好意的な声は決して少なくない。

 しかし、澤氏の指摘するように、

《先入観があったからかも知れないが面白くはなかった。高校生の頃、『竜そば』を観た帰りと同じで、感動の余韻が無かった。なんというか、高校の文化祭の劇を映画化したような印象を受けた》
《物語が全体的に説教くさい 学校の道徳授業で流れる様な台詞回し(中略)物語が支離滅裂なのよ でも駄作ではない ただつまらないだけの映画》
《世間の評判ほどつまらない映画ではなかったが、かと言って良く出来た映画でもない。 シーン毎の繋がりが唐突かつ説明不足で世界観に入り込めず感情移入も厳しい》

  といった、辛らつな声が目立つ。