■脚本家の離脱を残念がる声も
「『果てしなきスカーレット』は圧巻の映像美や演出、俳優の演技などは好評の一方で、“脚本”の部分に批判が集中している感じです。これは以前から言われていたことでもあるのですが、脚本家・奥寺佐渡子氏(59)の“不在”によるクオリティ低下を指摘する向きもありますね。
奥寺さんは、実写日本映画興収記録を更新した俳優・吉沢亮さん(31)の主演映画『国宝』(6月6日公開)の脚本も手掛けた、人気脚本家です」(前出の女性誌編集者)
歌舞伎に人生を賭けた男の一代記を描いた映画『国宝』は、初日から11月24日までの公開172日間で興行収入173億7739万円を記録。『踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』(03年)が22年守ってきた173億5000万円の実写日本映画興収記録を更新した超ヒット作品だ。
同作を担当した奥寺氏は、細田監督作品では『時をかける少女』から『おおかみこどもの雨と雪』までの3本(『おおかみこども』は細田氏との共同執筆)で脚本を担当。『バケモノの子』(2015年)からは、細田氏の作品にかかわっていない。
そのため、細田氏の作品は奥寺氏が離れた後シナリオの質が変わったという声もあり、さらに、
《みんな細田守の作品じゃなくて奥寺佐渡子の作品が好きだったのだ》
《細田ブランドは奥寺脚本バーストで世間のハードルが爆上がりしちゃってる部分あるよね》
《細田守監督は、別に奥寺さんでなくてもいいから、脚本補佐をつけて映画を作って欲しいな テーマの提示や映像は良いのに、その良さをストーリーがダメにしてしまっている》
といった声が、今回の『果てしなきスカーレット』にも寄せられている。
「細田氏には自分の持ち味を生かしつつ、作品のエンターテインメント性を確保できる人が必要なのでは、といった意見も出ていますね。それは、新海誠監督(52)を『君の名は。』でメジャーな存在にした川村元気プロデューサー(46)、スタジオジブリの宮崎駿監督(84)を長年支えてきた鈴木敏夫プロデューサー(77)のような人ということなのかも。
『果てしなきスカーレット』には厳しい声が多く寄せられてしまっていますが、細田氏はクリエイターとして唯一無二の存在ですし、これからも期待したいところです」(前同)
映画レビューサイトなどでも厳しい評価がつけられている『果てしなきスカーレット』。今後も集客は苦戦しそうだ……。