■目黒蓮・中川大志をもっと早く見たかった

 目黒と中川の好演もあって、ちょっと急ぎ足だった内容がしっかり見応えのあるものになっていた。主要キャラが入れ替わったことで勢いが弱まるかと思っていたが、佐藤浩市と沢村一樹の父親同士とは、また違った対称的な関係で、さらに物語を盛り上げてくれた。ジョッキーも、隆二郎(高杉真宙/29)と翔平(市原)をライバルにしてこれまでの流れを活かしており、最終盤も楽しめそうだ。

 ただ、平均世帯視聴率は前回から0.1ポイント微増の10.6%(ビデオリサーチ調べ/関東地区)で、日曜劇場としては物足りない数字だ。終盤にかけて勢いをつけたいところだったが、2話以降の平坦な数字の動きを見る限り、序盤で離れた視聴者が戻らなかったということだろう。中盤までの耕造(佐藤)メインの展開は骨太な作りで良かったのに、残念だ。

 しかし、骨太でありつつも、物語がちょっとシンプルだったかもしれない。レースシーンを盛り込むため、仕方のないことだったかもしれないが。今回、展之(中川)の競走馬・ソーパーフェクトの設定に、原作からの若干の改変が見られた。目黒と中川が躍動する姿を見ていると、どうせ改変するなら“馬主の継承”も、出すタイミングをもっと早めても良かったのではないかと思ってしまう。原作がある以上、本筋の改変は難しいのはわかるが……。

 日曜劇場は全10話が基本なので、残りは2話だろう。次回は、2年後の有馬記念優勝という大きな夢に向かい、再出発するチームロイヤルが、次々とトラブルに見舞われてしまうようだ。オリジナルキャラの獣医師・沢渡(市川実日子/47)が登場し、数字アップに期待したいところだが、どうなるだろうか。(ドラマライター・ヤマカワ)

■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。