■1つでも多くのものを拾って――目黒蓮の現場での心得とは

 競馬ファンも驚く、血統に詳しい“オタク”な演技を見せてくれた目黒だが、同じSnow Manのメンバーである佐久間大介(33)はアニメやゲーム好きのオタクとして有名なため、

《身近に好きなものを語るとき早口になる、佐久間大介という生粋のオタクがいるもんな…》
《めめが演技の参考にするために佐久間くんに「ちょっと推しについて語ってみて」とか言ってオタク特有早口推しプレゼンをしてもらってたら面白い》

 など、彼を役作りの参考にしたのでは、と指摘する声も。

「以前から目黒さんは演技派のイメージがありましたが、『ザ・ロイヤルファミリー』では佐藤さんや妻夫木さんといった名俳優たちと共演する場面が多い。これも、彼の演技力向上につながっているところがあるかもしれませんね。目黒さんは、とにかくしっかりと現場で見て学ぶという人ですからね」(前出の女性誌編集者)

 目黒は以前から、芝居に取り組む際には“常に学べるものはなんでも学ぼう、落っこちているものはぜんぶ拾おう”という気構えで臨んでいることを、たびたびインタビューで語っている。

『ザ・ロイヤルファミリー』での役柄が解禁されたことを受けての第5話(11月9日放送)直前インタビューでも、妻夫木や佐藤の芝居を見て、《1つでも多くのものを拾っていって自分のものにして、“継承するんだ”という気持ちで取り組んでいる》とコメントしていた。

 また、目黒が2023年7月期、『トリリオンゲーム』(TBS系)で人生初の連ドラ単独主演を果たした際には、自身が出演した『教場2』(21年1月/フジテレビ系)主演の木村拓哉(52)、映画『月の満ち欠け』(22年)主演の大泉洋(52)から学んできたことを生かしたい、というコメントをしていたことも。

 そして、そうした積み重ねは、共演者からも一目置かれるようになりつつあるようだ。目黒は主演映画『ほどなく、お別れです』(26年2月6日公開)で敏腕の葬祭プランナーを演じるが、11月20日の完成報告会では「家に着物を持ち帰り、たたみ方を練習したり、葬祭プランナーの先生たちによる練習用動画をひたすら見続けた」と、ストイックな役作りをしたと説明。

 同作でダブル主演を務める浜辺美波(25)は、「(別の仕事で)ヨーロッパから帰ってきてそのまま、まだ立っていない現場に来て練習をしていた」と補足し、浜辺も大いに刺激を受けたことを明かしている。

 そんな情熱で『ザ・ロイヤルファミリー』の撮影に臨み、作品の人気を牽引している目黒について、日曜劇場ウォッチャーのドラマライター・ヤマカワ氏はこう分析する。

「父・耕造(佐藤)と顔を合わせたこともない設定なのに、耕一(目黒)のさりげない振る舞いだけで、血の繋がりを感じさせたのはお見事。目黒さんの綿密な演技のプランニングがうかがわれます。

『海のはじまり』(フジテレビ系)では胸の内をなかなか言葉にしない内気キャラクター、『トリリオンゲーム』では“世界一のワガママ”を自称するイケイケキャラ。演技の幅が広い目黒さんですが、本作の耕一は、内気と見せておいて譲れないことはズケズケと言ってしまう、まるで両キャラのハイブリッド版みたいです。そんな耕一を、主演の妻夫木さん演じる栗須が懐深く受け止めてくれる――『ザ・ロイヤルファミリー』では、これまでの出演作以上に実力を発揮しているように見えますね」

 目黒は、来年1月からシーズン2の撮影が控えている真田広之(65)主演の大ヒットハリウッドドラマ『SHOGUN 将軍』への出演をオーディションで勝ち取ったことも話題となった。民放ナンバーワンのドラマ枠「日曜劇場」の次はハリウッドで芝居を学び――さらに上の役者へと成長していくのだろう。

ドラマライター・ヤマカワ
編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。