■前走は5着敗退も巻き返しのV狙う

 芝1400メートルの条件で行われる9Rつわぶき賞の相棒は、秋の園遊会で天皇、皇后両陛下のお口から飛び出した、白毛のマルガです。

「マルガのいとこが皇宮警察にいるんですよ」と、おっしゃったことにも驚きましたが、「スペシャルウィークの子どもにあたる馬も皇室にいるんですよ」というお言葉には、なんだか胸が熱くなってしまいました。

 レースをご覧になったという前走、アルテミスSは5着に敗れましたが、次は真っ先にゴール板を駆け抜ける姿を見ていただきたいと思います。

 そして、芝2000メートルのメインレース、GⅢ中日新聞杯は、ここまで15戦4勝、僕とは初コンビとなる友道康夫厩舎のメリオーレムです。

 東京ドームで行われた長嶋茂雄さんのお別れの会、みんなに愛された“メイショウ”松本好雄さんのお別れ会。ヨシトミ(柴田善臣)先輩の最年長勝利記録更新と、続けざまに刺激をいただき、やる気は120%です。2025年開催も今週を入れて、残り6日間。手綱を緩めることなく、走り続けますので、応援、よろしくお願いします。

武豊(たけ・ゆたか)
1969年3月15日、京都府京都市生まれ。1987年3月1日にJRA騎手デビュー。翌1988年、スーパークリークで菊花賞を制しGⅠ初勝利。以後、オグリキャップ・サイレンススズカ・スペシャルウィーク・ディープインパクト・キズナ・キタサンブラック・ドウデュースなど歴代名馬の手綱を取り、国内外GⅠ通算100勝超を達成した“レジェンドジョッキー”である。2018年9月には史上初のJRA通算4000勝、2024年度JRA賞特別賞と黄綬褒章を受章、2025年8月5日には前人未到の4600勝を達成した。現在もトップクラスで騎乗を続ける“競馬界の第一人者”兼“最多記録更新請負人”。