日々、若者文化やトレンド事象を研究するトレンド現象ウォッチャーの戸田蒼氏が本サイトで現代のトレンドを徹底解説。日本に初めて女性の総理大臣が誕生したインパクトは、思わぬところにも広がっているという。
高市早苗総理の誕生後、内閣支持率は異例の高さを維持しています。TBSが12月7日に発表した世論調査結果では支持率は75.8%を記録。これは劇場型政治と呼ばれた小泉内閣や政権交代を実現した鳩山内閣の発足時と並ぶ高水準で、国民の期待が強く表れた形と言えそうです。
高市総理への注目度はとりわけ若者の間で顕著で、日常の言動や持ち物、ファッションまでが注目されているといいます。
「SNSでは3人の女性大臣について、高市氏を“サナ”、外国人政策担当大臣の小野田紀美氏を“キミ”、財務大臣の片山さつき氏を“ツキ”と呼び、アイドル的に応援している現象が起きています。特に高市氏に関しては“同じボールペンを買った”“バッグをおそろいにしたい”といった投稿が続出。こうした声は政治に関心のなかった若年層が高市氏の記者会見や映像をよく見ている証左でもあり、“女性初の総理大臣”は若い世代にとってもかなりのインパクトがあったということでしょう」(政治部記者)
たとえば、総理が官邸入りの際に持っている黒いトートバッグは創業145年長野県の老舗メーカー『濱野皮革工藝』が製造しており、牛革100%で軽さと扱いやすさを重視したデザインが特徴。価格は13万円台と安くはありませんが、高市総理が就任して以降注文が急増し、メーカーの公式サイトでは出荷予定が半年待ちという状況になっているとか。
他にも、就任会見で総理がメモを取る際に使っていたピンク色の多機能ボールペンも注目を集めました。こちらは三菱鉛筆の「ジェットストリーム 多機能ペン」で、会見後に“同じものを使ってみたい”という投稿がSNSで拡散。店舗によってはピンクの売り上げが通常の数倍になるなど、急激な需要の増加が見られたといいます。
「高市総理はブルーのスーツを好んで着ていますが、これはクールさや威厳、誠実さ、知性をアピールする狙いがあってのものと推察できます。トランプ大統領との首脳会談には、上品なグレージュのワンピースで臨んでいたのですが、おそらくトランプ大統領がネイビーのスーツを好むこともあって、色味の重なるブルーを避けたのでしょう。それでも真珠のネックレスとイヤリングを身につけ、しっかり日本をアピールしていました。こうした気遣いやアピール力が女性たちの支持を生んでいる要因の一つでもあるようです」(前出の政治部記者)