■「区がゴミ箱を設置すべき」という声には区議も同意見
今回の改正において議会でどんな議論があったのか尋ねると、
「・区内の美化が推進されることを期待する。
・多言語による情報発信、飲食料販売事業者や自動販売機設置者等への丁寧な周知の要望。
・過料は電子決済やクレジットカードなど現金以外の徴収方法の検討。
・買ったお店の前で食べるとは限らないから、商店街全体としてゴミ箱を設置してもらい補助金を出すのはどうか? といった意見がありました」(佐々木ゆき議員、以下同)
とのこと。最大の目的である美化はもとより、徴収法や事業者への負担にも多角的な配慮があったようだ。また、「過料を科す以上、区で責任を持って公共のゴミ箱を設置するべき」との意見も出ていたそうで、SNSで上がっている“公共のゴミ箱を設置すべき”という声がすでに懸念されていたようだ。
公共のゴミ箱設置については、佐々木区議も「そのご意見には、同意です」と言う。また、「当会派では、一貫して区の公共ゴミ箱の設置を提言しております」と、佐々木区議の属する立憲・国民渋谷議員団として、罰則よりも行政のゴミ箱設置を進めるべきという見解も示した。
そして過料について。今回の改正はポイ捨てによる過料を最大2万円としながら、実際には2000円徴収の運用を図ることになっている。なぜこの金額なのか?
「区の所管課の説明では、“その場ですぐに払える金額でありつつ『次にするのはやめよう』と思ってもらえる金額だから”とのことです」
と区の見解を交えつつ解説。金額が高いほど抑止力になるわけではないようだ。
最後に、佐々木区議は未来の展望についてこうコメント。
「特に繁華街では、本当にゴミで街が汚くなっています。区は過料で儲けるためにやるのではなく、そのことによって皆さんの意識が少し変わり、ポイ捨てをしないよう心掛けて頂ける、そして街がきれいになることを期待しています」
来年以降、ゴミだらけの渋谷の光景は変わるのだろうか。