■元TOKIOvs日テレ……『鉄腕DASH』の今後を元キー局Pが解説
『鉄腕DASH』を《打ち切った方がいい》といった厳しい意見も出ているが、撮影の前とはいえ城島も直接の謝罪を拒否。日本テレビと元TOKIOメンバーが対立する構図へと発展している感じだ。城島、国分、松岡そして山口達也(53)と長瀬智也(47)の奮闘で人気番組となった『鉄腕DASH』は今後どうなってしまうのか? 終了の可能性も言われ始めているが――元テレビ朝日プロデューサーの鎮目博道氏はこう見る。
「元TOKIO側は“裏切られた”という思いが強いのではないでしょうか。『鉄腕DASH』の日テレへの貢献度は凄まじいものがあります。日曜夜はテレビ局にとって非常に大事な時間帯ですからね。その激戦区で『鉄腕DASH』は押しも押されもせぬ人気で、他局が勝てない強い番組です。
TOKIOはそんな番組をしっかりと作り上げたわけですし、福島県との仕事はメンバーにとってライフワークであり生き甲斐に直結する番組でもあります。だからこそ、一生懸命、誠心誠意取り組んできたはずです。普通のアイドルの仕事から考えるとかなりの長時間ロケですし、カロリーや手間暇もすごくかかっている。
タレント生命を削って作り上げた番組であるにもかかわらず、国分さんの騒動について何も説明がないという対応が許せず、“裏切り”と映ったのではないでしょうか。“これだけ尽くしてきた我々に冷たい仕打ちをするのか”と城島さんにも腹に据えかねたものがあったのかもしれません」(鎮目氏、以下同)
新潮と文春のインタビューで日本テレビに不信感を露わにした松岡に続き、城島も日本テレビと距離感が広がりつつあるとも感じられるが――。
「城島さんは揉め事をまとめる、輪を大事にする絵に描いたようなリーダーですよね。そんな城島さんが日テレ側からの説明を受けないという報道が事実だとすれば、相当な覚悟を決めていることになります。温厚な人がそんな対応をするというのは怒りの度合い強いということですからね。
松岡さんも城島さんも、手塩にかけた番組だからこそ変な形で継続することに我慢ならないんでしょう。日テレが落とし前やケジメをしっかりつけずに続けるつもりなのであれば、“いっそ終わらせてしまえ”と腹を括っているのかもしれませんね。
一方で、城島さんと松岡さんにとって『鉄腕DASH』は全力を注いできた番組であり、番組がなくなってしまうと今後のタレント活動に多少なりとも影響があるのではと。“続けてほしい”という視聴者も多いですしね。終わらせるのは得策とは思えませんし、元TOKIO側が終わらせるという結論を出すのかには疑問が残ります。
松岡さんも城島さんも“出方が悪ければやめるよ”という交換条件を提示し、日テレにケジメをつけるように要求しているのではないでしょうか。城島さんの対応はそんな言外の叫び声のようにも映ります」
一方の日本テレビ側は今後どのような対応をしていくのだろうか。
「現在の方針を貫く限りは、国分さんの要求に応じるつもりはないでしょう。国分さん自身が非を認めて降板したのだから、関係者を守るためにその点を妥協する、譲つもりはない。仮に譲ってしまったら、中居正広氏(53)の件で揺れたフジテレビのような批判を招いてしまうでしょうしね。
『鉄腕DASH』を続けたいなら、日テレ側は城島さんと松岡さんに説明と平謝りをするしかないのでは。お百度参りのように許してもらうまで謝り続けるということですよね。一方の城島さんと松岡さんは、国分さんへの説明がないと日テレを許さない方針なのかどうかも気になるところです。その方針なら今後も平行線になるわけですが……。
そんな状態が続いた場合は、日テレ側から打ち切りを提示する可能性も出てくるはずです。それほど両者は微妙な関係性にあると考えられます。
ただ、『鉄腕DASH』が行きがかり上、終わってしまうなんて何とももったいない。『鉄腕DASH』は日テレにとどまらず、日本のテレビの歴史に残る良い番組ですし、何とか双方が矛を収めて継続が決定してくれたらいいなと思います」
溝が深まる元TOKIOと日本テレビの関係性――国民的番組『鉄腕DASH』は今、揺れに揺れている。
鎮目博道
テレビプロデューサー。92年テレビ朝日入社。社会部記者、スーパーJチャンネル、報道ステーションなどのディレクターを経てプロデューサーに。ABEMAのサービス立ち上げに参画。「AbemaPrime」初代プロデューサー。2019年独立。テレビ・動画制作、メディア評論など多方面で活動。著書に『アクセス、登録が劇的に増える!「動画制作」プロの仕掛け52』(日本実業出版社)『腐ったテレビに誰がした? 「中の人」による検証と考察』(光文社)