■広がるネオダジャレの理由とは?
では、なぜZ世代はダジャレに惹かれるのでしょうか。
「ひとつは、SNS時代の言葉のテンポに合っていること。短く、リズムがあり、文脈を崩さず笑いを添えられて、たった数文字で『気が利いている』と感じさせる言葉は、タイパ意識の高いZ世代の会話にぴったりです。もうひとつは、“多様性”という時代背景。テレビのように『みんなが同じ笑いを共有する』時代ではなく、それぞれの界隈やコミュニティごとに価値観が分かれる時代となり、好きな人は好きでいい、という空気の中では、『ダジャレ=ダサい』という古いラベルも意味を失いました。誰かを笑わせるためでなく、自分たちの小さなノリを楽しむための文化。ネオダジャレは、そんな時代の空気に寄り添っていると言えます」(生活情報サイト編集者)
SNS上では、「友だちとの会話が盛り上がる」「オンライン授業中にネオダジャレを投げて笑いが起きた」「『ダサい』と思っていたけど意外と頭を使う」といった声が聞かれます。中には、「ダジャレを考えると脳トレになる」「気まずい沈黙を救ってくれる」など、実用面で評価する声も。
令和におけるダジャレは、“寒い冗談”ではなく、笑いと知性を両立する新しい言葉の使い方として、確実に市民権を得つつあるようです。あなたも今日から、「ナスのヴィーナス」くらいの軽やかさで、言葉遊びをしてみませんか?
トレンド現象ウォッチャー・戸田蒼
大手出版社でエンタメ誌やWEBメディアの編集長を経てフリー。雑誌&WEBライター、トレンド現象ウォッチャーとして活動中。