■『モーニングショー』の玉川徹氏はあえてのヒール役か

 宮根と同様に何かと物議を醸す情報番組出演者といえば、羽鳥慎一(54)がMCを務める『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)でコメンテーターを務める元テレビ朝日局員の玉川徹氏(62)もその1人だろう。

「玉川さんの発言はたびたび炎上したり、炎上しなくてもコメントが毎日のようにネットニュースで取り上げられます。賛否は巻き起こりますが、話題性があるので番組にとってはプラスの側面もあるでしょうね」(制作会社関係者)

 12月15日放送の『モーニングショー』では、高市早苗首相(64)の「働いて、働いて、働いて、働いて、働いてまいります」が「現代用語の基礎知識選 2025 T&D保険グループ新語・流行語大賞」の年間大賞に選ばれたことを取り上げた。

 玉川氏は流行語大賞受賞について「忖度か皮肉だと思って聞きました。“素晴らしいことを言っています”ということで選んでいるのではないと思っている」と指摘。自身の会社員時代を振り返り、「部長が帰らないと課長や平社員は帰れない。だから残業することがずっとあった。それではダメということで変わってきているが、それでもまだ残っている」と持論を展開。

 高市首相の「働いて~」発言について「“それを昔に戻すのか”と僕には聞こえました。総理に出してほしいのは成果なんですよ。長い時間、働いてほしいなんて誰も頼んでいない」と訴えた。

「玉川氏のこの発言も《もうすでに成果はでてるだろうよ》などの声が寄せられ、賛否を呼びましたが……『モーニングショー』の注目度はとても高いですよね。たとえば、12月12日の世帯視聴率は9.4%(すべてビデオリサーチ調べ、関東地区)、個人視聴率は5.1%で、民放では同時間帯断トツ1位ですからね。

 玉川氏は羽鳥さんに“自分が悪役をやるので善人に専念してください”と提案したとも報じられていますが、あえて炎上を招くような発言をしてスタジオの論争を盛り上げる考えなんでしょう。そして、それを羽鳥さんがなだめて、上手く進行していくという番組の構成がはまっている感じですね」(前同)

 何かと話題を呼ぶ宮根と玉川氏を、芸能評論家の三杉武氏はこう見る。

「宮根さんは関西の大物・やしきたかじんさん(享年64)に認められて東京進出まで果たし、フジテレビの選挙特番も担当していますが、『ミヤネ屋』では軽妙なトークや気取らなさをウリにしていますよね。

 昔は共演者やスタッフに茶々入れる程度でしたが、最近は厳しく注意するような方向にいっているように見えますし、笑えなくてハラスメントのように映る時もあります。宮根さんにはストレスや焦りがあるのかもしれませんが、そういう瞬間は見ていて心地よくなくないですよね。

 裏の『ゴゴスマ』は後発番組ですし、石井さんもフレッシュさを感じさせます。古舘伊知郎さん(71)などのコメンテーターが先輩だったりするので腰が低い印象ですし、軽妙さはありつつも丁寧。宮根さんとの差がそこに出ていますよね」(三杉氏、以下同)

 来年で放送開始20年を迎える『ミヤネ屋』にはマンネリ化も感じると三杉氏は指摘する。

「スタッフも今の宮根さんには厳しく言えないのではないでしょうか。見ていると“王様化”しているようにも感じます。『Mr.サンデー』(フジテレビ系)ではそういった感じがありませんが、『ミヤネ屋』に関しては読売テレビに続けたいという思惑があり、宮根さんへの忖度もありそうですよね。

 一方、石井さんは『ゴゴスマ』のスタッフとコミュニケーションが取れているように見えますし、一緒に番組を作っていこうという思いも伝わってきます」

『モーニングショー』の玉川氏については、

「言い方や態度も上からで偉そうに見え、“何様なんだ”と感じる視聴者も一定数いるのではないでしょうか。あえてはっきり言うようにしているのかもしれませんが、玉川さんはそれが裏目に出ているようにも映ります。

 MCの羽鳥さんはソフトな進行が非常に上手く、番組の企画意図としてあえて玉川さんがヒールに回っている部分もあるのでしょうが、それにしたって偉そうな物言いに見えてしまう時も。

 隣に好感度の高い羽鳥さんがいるので、かえって玉川さんが目立ちますよね。それが狙いなのかもしれませんが、自身の役割を自負してやっているのか、意識しないでやっているのかで今後の番組への影響も変わっていきそうですよね」

 視聴者からの評判が良いとは言えなかった青井が来春で『イット!』を降板。好感度だけが重要ではないだろうが、首筋が寒くなってきている情報報道番組の出演者もいるのかもしれない――。

三杉武(みすぎ・たけし) 芸能評論家
早稲田大学を卒業後、スポーツ紙の記者を経てフリーに転身。豊富な人脈をいかし、芸能評論家として活動している。多くのニュースメディアで芸能を中心にしたニュース解説を行ない、また「AKB48選抜総選挙」では“論客”とて約7年間にわたり総選挙を解説してきた。