■興味がないわけじゃない、でも実生活ではしない
「親しき中にも礼儀あり」という言葉があるけどさ、そんなこと、初めて会う人だったら聞かないでしょ?
その会話を聞いた瞬間に、俺はビビったね。第一声がそれだったから。ありえないじゃん。
芸能界の先輩に聞かれたら、そんな失礼な質問でも、デビューしたての芸人は答えてしまうよ。
もちろん、興味がないわけじゃない。人の懐具合を書くのは週刊誌報道でも、よくあるわけだし。
でも、実生活で、それをするかといったら、やっぱりしないよな。
それが昨今、エンターテインメントとしてテレビ番組のフックになってるよね。
「衝撃の月収はCMの後!」
わざわざCMまたぎにしてんの。これは品格の問題だよ。作る側と、そこで金額を言っちゃうタレント側の品格。すでにバラエティの定番みたいになっちゃってる。ダサすぎるよ。
俺が思うに、そこで最高収入を明かす芸人の今のギャラって、せいぜい30万円ぐらいの額だろう。テレビで自分の最高月収を言ったら、ちょっとしたギャラをもらえるだろうという計算のうえで言ってる。
「おまえは、その金で寝るのか?」
渋沢栄一がすべてなのかと思ってしまう。芸人は嫌いじゃないよ。だけど、そこまで言うのはケツの穴を見せてたり、セックスを見られるのと一緒だ。羞恥心はないのか。「それが芸人だ」という考え方もあるかもしれないけどさ。
老Guyとしては、人の稼ぎなんかで一喜一憂しない。その距離感でマウントを取ろうとする人とは付き合わないのが、ストレスなく生きられると思うよ。
玉袋筋太郎(たまぶくろ・すじたろう)
1967年生まれ。東京都新宿区出身。86年にビートたけしに弟子入りし、翌年、水道橋博士と浅草キッドを結成。一般社団法人全日本スナック連盟会長。