■『もしがく』は大コケも…浜辺美波は最後に株を上げた!

『ちょっとだけエスパー』での宮崎には、

《一千万人の命と引き換えにでも助けたい女性、宮崎あおいさんをキャスティングしたこととご本人の演技力で説得力がすごい あんな人誰だって救いたいやろ…》
《宮崎あおい、あまりにも悲劇のヒロインすぎるしこれが皆が守りたくなる本物のヒロインだ...と説得力の違いを見せつけられてる》
《二人の男性に愛される女性という存在として説得力しかない宮崎あおい様のかわいさ無双だったなしかし》

 といった、圧倒的に説得力がある美貌と存在感に感服した、という声が多く寄せられている。

 最後に、12月17日に最終回を迎えたフジテレビ系水10ドラマ『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』に出演していた浜辺美波(25)。

「『もしがく』の数字は大コケとしか言えない結果となってしまいましたが……最終回での浜辺さんは、メインヒロインである二階堂ふみさん(31)を上回る存在感があって――浜辺さんはラスト、株を上げる形でドラマは終わりましたね」(前出のテレビ誌編集者)

 菅田将暉(32)主演の『もしがく』は、1984年(昭和59年)の東京・渋谷「八分坂」(架空の街)の「WS劇場」を舞台繰り広げられる、蜷川幸雄に憧れるシェイクスピア好きの演出家の卵・久部三成(菅田)を中心とした青春群像劇。

 同作は放送前、ヒットメーカー・三谷幸喜氏が25年ぶりに民放GP連ドラ脚本を手掛ける作品として大きな注目を集めていた。当時の渋谷を再現するため大型のオープンセットが組まれるなど、フジテレビが社運を懸けた勝負作だと言われたが、視聴率は大苦戦。拡大版の最終回の世帯視聴率は2.9%(関東地区/ビデオリサーチ調べ)、TVerお気に入り登録者数も秋ドラマ14位の50.8万人だった。

 そんな『もしがく』のメインヒロインは二階堂ふみ(31)が演じた、劇場でダンサーをしている倖田リカ。そして浜辺は、劇場近くの神社で巫女をしている女性・樹里役で出演していた。久部(菅田)との交流でシェイクスピアに興味を抱くなど話に絡んではいたが、リカに比べると本筋の外にいるようなキャラだったのだが……。

「『もしがく』最終回では、浜辺さんに大きな見せ場があったんです。1つは、役者が役を掛け持ちする“仮面劇”の稽古をする際、久部に恋をしている樹里が、リカになりすまして芝居をする、いじらしい場面。

 そしてもう1つは、クライマックスの場面。久部に“シェイクスピア作品”について知見を述べ、その上で、久部のやり方が間違っていたことを突きつける重要なシーンでした」(前同)

『もしがく』最終回の終盤では、浜辺演じる樹里が、シェイクスピア作品に登場人物が多い理由を推測する場面があった。樹里は、シェイクスピアは座付き作家として、芝居が下手な役者も、ちょっとだけ舞台に立たせてあげたかったのではないかと考察。そして、団員に自分本位で横暴な言動を繰り返してきた久部を「自分のためだけに芝居を作っている人に人はついてこないと思う」といさめる――という浜辺の高い演技力が際立つ、長尺の場面だった。

 また同作のエピローグでは、劇団の解散から2年後、久部が立ち寄った公民館で、元劇団員たちが楽しく稽古をしている光景を目撃。扉越しに覗くも声をかけずに去る――という流れだったが、この場面でも、稽古場の外にいた樹里だけは久部に気づき、「顔出します? 皆さん喜ぶと思いますよ」と、優しく声をかけたのだ。

 そんな『もしがく』最終回での浜辺の演技には、

《魅力的なキャラが多かったけど、最終回は樹里に感情移入してしまって一緒に泣いた。私の中で浜辺美波さんの株が爆上がり》
《ぶっちゃけ最初の方はなぜこんな脇役に浜辺美波なんだろうと思って見てたけど今までの色んな作品の中でも最後の仮面を脱いだ時の表情が1番綺麗に見えたその位この作品に浜辺美波が居たのは正しい選択だった》
《この人がいなかったら、ただの胸糞悪い話で終わったような気がするくらい、救いのある役で良かった》

 といった、浜辺の演技を称賛する声が多く寄せられている。

 夏帆、宮崎、そして浜辺。3者の25年秋ドラマでの活躍を、ドラマライター・ヤマカワ氏はこう分析する。

「まさに”可愛いは正義”の3人でしたね。『ちょっとだけエスパー』はSFドラマだっため、世界観に馴染めない視聴者はモヤモヤしていたようですが、宮崎あおいさんは、子育てが大変な4児のママとは思えない驚くべき可愛さ。ヘアメイク、スタイリングとともに、宮崎あおいさんの魅力全開でした。

『じゃあつく』の夏帆さんは、最近は真面目キャラを演じることが多かったので、ピンク髪が新鮮だったし、鮎美が自己主張が出来るようになっていく姿を上手く演じ、回を追うごとにキャラが輝きを増していましたね。

『もしがく』の浜辺さんは、正直、脚本が彼女の魅力を引き出せていたとは思いませんが……巫女、ちょっとダサい昭和ファッションなどはやはり可愛くて、楽しめましたよね。最終回を含めて、良かったのではないでしょうか」

 大ヒット作、視聴者が離れてしまった作品など、明暗分かれてしまった形だが、夏帆、宮崎、浜辺、3人の売れっ子女優は、さすがの存在感を見せてくれた。

ドラマライター・ヤマカワ
編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。